日本でもワクチン接種後に新型コロナウイルスに感染する「ブレークスルー感染」が増えていますが、すでに希望する12歳以上はいつでも接種が可能なアメリカでは著名人のブレークスルー感染が相次いでいます。普段から感染予防を徹底しているセレブたちでも感染力がより強いとされる変異種デルタ株のまん延により、ワクチンを接種していても完全に防ぐことが難しいことが分かってきました。接種後は安心感から気が緩みがちですが、マスク着用や人混みを避けるなどの感染対策を継続することが重要であると警告されています。ブレークスルー感染が明らかになったセレブをまとめてみました。

●ポール・スタンレー(キッス)

世界ツアー「エンド・オブ・ロード」を慣行中のキッスのリードボーカルを務めるポール・スタンレーは、インフルエンザのような症状があったため検査を受けた結果、複数回の陰性判定の後に陽性反応が出たことをツイッターで公表。それに伴い、先月26日のペンシルベニア州での公演を延期することが発表されました。メンバーもツアーのスタッフも全員がワクチン接種済みであったことから、ブレークスルー感染だったことが分かっています。ネットでは重症説も出ていたスタンレーですが、軽症で自宅療養後に回復したことを明かし、ワクチン接種のおかげで重症化しなかったと述べています。

●ジーン・シモンズ(キッス)

スタンレーの感染が判明してから数日後にジーン・シモンズも陽性反応が出たことを公表し、症状は軽いことを明かしています。シモンズは以前からワクチンの義務化を推奨しており、コロナ禍で延期されていたツアーの再開に当たって、観客にワクチン接種とマスク着用を呼びかけていました。自身がブレークスルー感染した後もSNSで、「ワクチンを打っていてもデルタに感染する。でも、もしワクチンを接種していなかったら入院し、苦しみ、最悪死んでいたかもしれない」と未接種者にワクチンの効果を訴えています。


ジーン・シモンズ(左)とポール・スタンレー(2019年12月撮影)
ジーン・シモンズ(左)とポール・スタンレー(2019年12月撮影)

●ヒラリー・ダフ

今年3月に第3子を出産したヒラリー・ダフは、人気ドラマ「ママと恋に落ちるまで」のスピンオフ「How I Met Your Father」の撮影が始まった直後の先月末に、検査で陽性反応が出たことをSNSで公表。「デルタ株…ひどい頭痛。味覚や嗅覚がない。副鼻腔の圧迫感、頭にもや。ワクチン打っていてよかった」とコメントし、コロナの症状に苦しんでいることを明かしました。その後、スナック菓子の写真に「アップデート!これを味わうことができる」とコメントを添えて投稿し、回復したことを報告しています。

●メリッサ・ジョーン・ハート

ドラマ「サブリナ」や「メル&ジョー 好きなのはあなたでしょう?」などで知られるメリッサ・ジョーン・ハートは、先月18日にインスタグラムに「ワクチンを接種していたのにコロナに感染した」と投稿。呼吸が苦しく、胸に重りがのっているようだと明かし、8歳から15歳までの3人の子供のうち1人も感染していると思うとコメント。一家は外出を控えるなど感染予防を徹底していたといい、子供たちの学校でマスク着用の義務化がないことに腹を立てていると綴り、子供が学校で感染した可能性を指摘しています。

●リバー・マッキンタイア

カントリーの女王と呼ばれ、ブロードウェーミュージカル「アニーよ、銃をとれ」のリバイバルに主演し、映画やテレビドラマでも活躍するリバー・マッキンタイアも、パートナーと共にブレークスルー感染したことを公表。「冗談ではないわ。体調が悪い」と語り、ワクチンを打っていても感染して症状が出ると明かし、ファンに「ワクチンを接種した後もマスクを着用してできる限りステイホームをして、感染予防を徹底して」と呼びかけています。

●オスカー・デラホーヤ

ボクシング史上初となる元6階級制覇王者のオスカー・デラホーヤは3日、新型コロナに感染して入院していることをSNSで公表。動画の中でデラホーヤは、病院のベッドの上からワクチンを接種していたにも関わらず感染し、来週末に予定されていた試合に出られないと語り、現役復帰戦を延期することを発表。病院で治療を受けており、年内にリングに戻ることができると確信していると述べています。


オスカー・デラホーヤ(2006年5月撮影)
オスカー・デラホーヤ(2006年5月撮影)

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)