今年もアカデミー賞授賞式の季節が到来。いよいよ来週日曜日(日本時間13日)にハリウッドのドルビー劇場で開催されます。昨年は主演男優賞にノミネートされていたウィル・スミスが、プレゼンテーターで登壇したクリス・ロックを平手打ちする前代未聞の事件が起きて世界中の注目を集めましたが、今年はどんな授賞式になるのでしょう。豪華スターが集結し、ハリウッドが1年で最も華やかになるこの季節を楽しみにしている映画ファンも多いと思いますが、今年のアカデミー賞の見どころなどを現地から予想を交えてお伝えします。

◆注目作品は?

メインイベントである今年の作品賞には、スティーブン・スピルバーグ監督の自伝的映画「フェイブルマンズ」やトム・クルーズ主演の大ヒット作「トップガン マーヴェリック」、ジェームズ・キャメロン監督の「アバター」の13年ぶりとなる続編「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」など話題作が多くノミネートされています。コロナ禍で落ち込んだ映画業界を救った「トップガン マーヴェリック」は、大作映画ながらも堂々と作品賞に名を連ねており、受賞を推す声も高まっています。功労者であるクルーズが主演男優賞候補入りを逃していることもあり、作品賞を獲得できるのか注目です。対抗馬として有力候補に名を連ねているのは、先日の全米俳優組合(SAG)賞の最高賞にあたるアンサンブル賞に輝いた「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」です。カンフーとマルチバースを融合させたダントツの独創性で絶賛される同作は、ミシェル・ヨーの主演女優賞受賞も期待されています。

◆司会は?

2019年から司会者不在で開催されていた授賞式ですが、昨年は4年ぶりに司会者が復活。エイミー・シューマーら女性3人が起用されたものの、男性俳優へのボディーチェックなどジョークが行き過ぎだと批判されたこともあり、今年は安定感があるジミー・キンメルに白羽の矢が立ちました。17年から2年連続で同賞の司会を務めており、これが3度目。作品賞が誤って発表される前代未聞のハプニングにも冷静に対応した経験があるだけに、ビンタ事件の翌年には最適な人選と言えます。一方で、スミスとロックのビンタ事件に触れてネタにするのかも注目です。

◆ハプニングは起こる?

生中継されるアカデミー賞授賞式では、想定外のハプニングが起こることもあります。昨年のビンタ事件だけでなく、過去には作品賞を受賞した「ムーンライト」の代わりに誤って「ラ・ラ・ランド」の名前が呼ばれるアクシデントや、主演女優賞を獲得したジェニファー・ローレンスが登壇する際に転倒するなど様々なハプニングが起きています。今年は世界中にビンタ映像が中継された昨年のような大失態が起こらないよう、「危機管理チーム」が設置されたことが伝えられています。とはいえ、何が起こるのか分からないのも授賞式の醍醐味なので、視聴者をひきつけるようなハプニングが起こるのか注目しましょう。

◆パフォーマンスは?

歌曲賞にノミネートされたアーティストによるパフォーマンスも授賞式の楽しみの1つです。これまでもレディー・ガガやビリー・アイリッシュら人気アーティストがパフォーマンスを披露して話題となっていますが、今年の目玉は先月行われたNFL王者を決めるスーパーボウルで圧巻のパフォーマンスで第2子妊娠をサプライズ発表したリアーナです。「ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー」の主題歌「Life Me Up」を披露することが発表されていますが、他にもインド映画「RRR」からもラーフル・シプリガンジとカーラ・バイラヴァが「Naatu Naatu」を生披露するので盛り上がりそうです。「トップガン マーヴェリック」の「Hold My Hand」でノミネートされているレディー・ガガは、パフォーマンスを行うのかどうかは公表されていませんが、サプライズ登場を期待したいところです。

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)