「人工甘味料」で検索すると、すぐ「危険」とか「副作用」といった言葉が表示されます。「人工甘味料は怖い」という認識はあまりに広がり、食品企業もイメージアップのため「人工甘味料不使用」と積極的に謳うようになった…でも実は、同じ甘みを砂糖で食べるほうがよっぽど怖いです。ダイレクトに血糖値を上げてしまうわけですから…!

ダイエット編10「人工甘味料より砂糖のほうが怖い」

 【前回までのあらすじ】トーク編と併行して連載中のダイエット編。「ロカボ」(注1)に出会ってから、おなかいっぱい食べて、楽しくダイエットを継続中。第5回「食後の血糖値を上げないようにするのがダイエット」(4月27日更新)、第8回「お肉はいっぱい食べよう」(5月18日更新)、第9回「油もいっぱい食べよう」(5月26日更新)でした。

五戸お気に入りのスイーツプランシリーズから『糖質を考えた生チョコクレープ』。甘いチョコとクリームをふんわり生地で包んで糖質9.5gは驚き! スーパーで全国展開中(2017年5月)
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 ロカボの名付け親で、北里研究所病院糖尿病センター長で医学博士、「一般社団法人 食・楽・健康協会」代表理事の山田悟先生の著書『ロカボで食べるとやせていく』(幻冬舎)と、山田先生監修の新刊『世にも美味しい「ゆるやかな糖質制限ダイエット」』(世界文化社)を参考図書に、北里研究所病院で山田先生に取材した内容を、以下にまとめます。

人工&低糖質甘味料とは

 よく使われる人工甘味料に「アスパルテーム」や「スクラロース」があります。また、糖アルコールの「エリスリトール」と「羅漢果(らかんか)エキス」も合わせて「低糖質甘味料」といいます。

 まず「エリスリトール」と「羅漢果エキス」は天然由来です。「エリスリトール」は果物やキノコや発酵食品などに含まれています。そして「羅漢果エキス」は羅漢果という、中国・桂林が原産のウリ科の果実から抽出しています。この2つに関してはそもそも人工ではありませんので、怖いと言っている方は何も知らないと言っているのと同じです。

SARAYAの『ラカントS』シリーズ。「高純度 羅漢果エキス」と「エリスリトール」で糖類ゼロのありがたい甘味料。重宝しています。「人工甘味料不使用」と書いているのは消費者のイメージの問題で、否定しているわけではないとのことです(2017年3月、外苑前で開催されたロカボスイーツパーティーで)
SARAYAの『ラカントS』シリーズ。「高純度 羅漢果エキス」と「エリスリトール」で糖類ゼロのありがたい甘味料。重宝しています。「人工甘味料不使用」と書いているのは消費者のイメージの問題で、否定しているわけではないとのことです(2017年3月、外苑前で開催されたロカボスイーツパーティーで)

エリスリトールはダイエットの強い味方

 また、「エリスリトール」は血糖値を上げないことがわかっているので、こんなに心強い味方はありません。よく食品の糖質量に「※エリスリトールを除く」と書いてあるのはそのため。分類としては「糖アルコール」という糖質の一種なので、単に糖質量を表記する場合はエリスリトールが含まれますが、血糖値を上げない糖質を考える必要がないので、エリスリトール以外の糖質量が“実質の糖質”ということになります。

 エリスリトールに関しては、FDA(アメリカの食品医薬品局)とEMA(ヨーロッパの医薬品局)が「摂取上限量を設定する必要はない」と示しています。また羅漢果エキスも、摂取上限量が設定されていません。イコール安全な食品だということ。

ロカボスイーツパーティー出品一覧。低糖質甘味料を使った美味しいスイーツはたくさんあります。ロカボ公式サイトでチェックを(2017年3月)
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人工甘味料の上限量とは

 一方、人工甘味料の「アスパルテーム」や「スクラロース」には、一日の上限量が設定されています。缶ジュースに換算すると、15~25本までが安全圏です。一日15本缶ジュースを飲む人はなかなかいないと思います。つまり、普通の量ならまず安全だということ。砂糖の入った缶ジュースを15本飲むと相当な高血糖になりますから、肥満や糖尿病の危険性は恐ろしいほど高まります。

人工甘味料=がん、は間違い

 また、発がん性が叫ばれる人工甘味料ですが、がんとの因果関係をはっきり証明した論文はありません。 悪性リンパ腫と甘味料の関係性を調べた観察研究はあります。結果は、低糖質甘味料による発症率は1.3倍、砂糖による発症率は1.7倍。砂糖のほうがやや高い結果となりました。少なくとも、砂糖でダイレクトに血糖値を上げるよりは、低糖質甘味料のほうが安全だということです。

グリコの低糖質アイス『SUNAO』のバニラ。チョコやチョコモナカもオススメ。ローソンで全国展開中(2017年6月)
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太らない人工甘味料

 その上、血糖値を上げないエリスリトールはもちろん、糖質が抑えられている人工甘味料は、太る心配がありません。

 人工甘味料を使ったドリンクを飲んでダイエットをするグループと、水を飲んでダイエットするグループとを比較した実験もあります。結果は人工甘味料のドリンクを飲んでいたグループのほうが、減量効果が高いというものでした。(2014年、肥満学会誌『オベシティ』より)

 「甘いものは全く食べられない」と思うとダイエットは続きません。私はまず無理。甘いものは別腹。スイーツラブ。そこで、強い味方になってくれるのが低糖質甘味料を使った“ロカボスイーツ”! 今やコンビニでも買えるようになったロカボスイーツで、甘いものを食べながら快適にダイエットが継続できています。(次回ダイエット編は第11回「果物に気をつけろ」です)

山田悟先生に取材後、記念撮影しました(北里研究所病院で)
山田悟先生に取材後、記念撮影しました(北里研究所病院で)

本日のごのへの・ご・ろ・く

ああ感謝 ロカボスイーツ ある現代

 (注1)「ロカボ」は“ローカーボハイドレート”の略で、“ロー(低い)+カーボハイドレート(糖質)”のこと。1食の糖質摂取を20g~40g、一日70g~130gにする、ゆるやかな糖質制限です。

 ◆山田悟(やまだ・さとる) 1970年、東京生まれ。1994年慶應義塾大学医学部卒業。2002年から北里大学北里研究所病院勤務。同病院医療連携室室長、糖尿病センター長、医学博士。一般社団法人「食・楽・健康協会」を設立、代表理事を務める。日本における糖質制限の第一人者。「ロカボ」の名付け親。「糖質制限の真実」(幻冬舎)をはじめたくさんの書籍を出版、メディアにも数多く登場。