歌舞伎俳優坂東玉三郎と落語家春風亭小朝による舞台「越路吹雪物語」を見てきました。
「ラスト・ダンスは私に」「サン・トワ・マミー」などのシャンソンで知られる宝塚歌劇団出身の歌手で俳優の越路吹雪さんの半生を、玉三郎の歌と、小朝の語りで描いた舞台です。昨年1月に大阪松竹座、7月に歌舞伎座で上演され、その後、全国を巡演している人気公演で、私は先日の東京・ティアラこうとうでの公演を見ました。
「越路吹雪物語」の前に、玉三郎と小朝の対談コーナーや小朝の落語「お菊の皿」があったのですが、対談では玉三郎と付き合いが長い小朝の絶妙トークもあって、笑いが絶えませんでした。事前に観客から集めた質問は「好きな食べ物は」「好きな楽器は」といった素朴なものが多かったけれど、玉三郎は一つ一つに丁寧に答えていたの印象的でした。「越路吹雪物語」は来年も上演予定ですが、玉三郎の歌う曲も増え、小朝の越路さんの魅力をほうふつとさせる語りも巧みで、完成度の高いパフォーマンスになっています。今後も上演を重ねてほしい公演です。
玉三郎は12月の歌舞伎座で今年7月に初演した「火の鳥」を再演し、市川染五郎との「源氏店」にも出演します。玉三郎のお富、片岡仁左衛門の与三郎で2年前にも上演されていますが、今回の与三郎は仁左衛門より61歳も若い染五郎となります。ドラマチックに歌うシャンソンもいいけれど、玉・染コンビの「源氏店」も楽しみです。【林尚之】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「舞台雑話」)




