乃木坂46高山一実(27)が、今月20、21日に東京ドームで行われる全国ツアーファイナル公演をもって、グループから卒業する。11年8月の結成当初から安定して活躍を続け、全シングル28作で選抜入り。心優しい人柄で愛される功労者が、ラストライブへの意気込みを語った。

自身のサイリウムカラーであるピンクと水色の花束を手にする高山一実(撮影・河野匠)
自身のサイリウムカラーであるピンクと水色の花束を手にする高山一実(撮影・河野匠)

ラストライブのリハーサルも一段落したという。「卒業したメンバーと話すと『辞めたら踊りたくなるよ』ってよく聞くので、踊れるうれしさみたいなものは結構かみしめていました」と明かした。「リハーサル中に(北川)悠理ちゃんが『高山さんの背中を見ていたら泣いちゃいました』って話し掛けてくれて。まだまだいろんなメンバーと話し足りないなぁと思います」と名残惜しそうにした。

アイドルに憧れ、11年8月に1期生として加入した。「ギスギスしたライバル社会を覚悟していたんです。だから最初は他の子に嫌われたくないという思いが8割でした」と振り返った。「でもしばらくして、この人たちは優しいから大丈夫なんだと思えて。メンバーも、スタッフさんも。恵まれた環境でした。初期の頃にはもう『ここで10年頑張ろう』と思っていましたね」と感謝した。

心優しい性格で、長年ムードメーカーとしてメンバーたちの心のよりどころとなった。「地元の学校が人数少なかったので、昔から集団に憧れていました。乃木坂に入って、同世代の子たちと毎日一緒に生活ができるのがまずうれしかった。集団行動が苦手と思ったことはないし、そういう意味では向いていたのかもしれません」と分析。「乃木坂って、家で1人の時間を数時間我慢すれば次の日にはまたみんなと会えるじゃないですか」と笑った。

昨年からコロナ禍でさまざまなライブやイベントが中止になった。自身の卒業も1度は延期となった。それでも「この状況を憎むことはしません」と言い切った。「もちろん大変なウイルスですけど、この状況で、何とかしようとしたからこそ良くなったこともあると思う。握手会が『ミーグリ』(オンライントーク会)になって、ファンの方の家の様子が初めて見られたりとかして。憎しみを持って生きないようにしたいです」とほほえんだ。

花束を手にする高山一実(撮影・河野匠)
花束を手にする高山一実(撮影・河野匠)

卒業後も芸能活動を続ける。「アイドルなので、仕事で会っても連絡先を知らない方がすごく多いんですよ。だから、スタッフさんやファンの方に会うには、やっぱり芸能界で仕事するしかないと思って」と説明。「また集団に入れるようなレギュラーのお仕事もほしいです!」と笑った。

ラストライブがアイドル人生集大成となる。「自分にしかできないことを10年間探してきて、1つ、新しいことを用意していますので、それは当日のお楽しみにしていただきたいです」とアピール。「不安もありますけど、ライブの最後に光景を目に焼き付けたいです。本当に理想の10年でした。乃木坂でたくさんの夢をかなえさせていただきました。とにかく感謝を伝えたいです」。まさにアイドルグループの申し子。乃木坂46を温かく照らした10年戦士が、最後の舞台に臨む。【取材・構成=横山慧】

花束を手にする高山一実(撮影・河野匠)
花束を手にする高山一実(撮影・河野匠)

◆高山一実(たかやま・かずみ)1994年(平6)2月8日、千葉県生まれ。安房高卒。11年8月加入、乃木坂46の1期生。愛称「かずみん」。18年著書「トラペジウム」で小説家デビュー。テレビ朝日系「クイズプレゼンバラエティー Qさま!!」MC。TBS系「オールスター後夜祭」で18年からMC。162センチ。血液型A。