宝塚歌劇がEXILEらを擁するLDHとコラボした第2弾「HiGH&LOW-THE PREQUEL-」と、ショー「Capricciosa(カプリチョーザ)!!」の宙組公演が、8月27日に兵庫・宝塚大劇場でスタートした。宝塚で9月26日まで、東京宝塚劇場で10月15日~11月20日予定。

11月でトップ丸5年。男役の体現者にも近づく真風涼帆が、芝居では、ドラマなどで岩田剛典が演じたコブラを宝塚版として表現した。

後部座席に女性をのせ、バイクにまたがる。その一方で、抗争が続く中、幼なじみの女性の望みをかなえようと寄り添う。

開幕前の取材では、真風自身も「舞台化を聞いて、宝塚版として、どうなるのかワクワク、ドキドキしていた」と振り返っていた話題作。「HiGH&LOW」は、15年に連ドラとして日本テレビ系で初放送されシリーズ化。映画、ライブ、ゲームへと総合的に展開され、今回は、その作品群の前日譚(たん)として、舞台化された。

真風がふんしたコブラ率いる「山王連合会」と、芹香斗亜がリーダーの「White Rascals」、桜木みなとが核の「RUDE BOYS」、瑠風輝による「達磨一家」、鷹翔千空が番長の「鬼邪高校」と、5グループのドラマが描かれた。

複数グループが台頭し青春群像劇の色も濃く、演出の野口幸作氏も「全員が主役」の側面も強いととらえていた。トップが主演し、公演の全責を負うと言っても過言ではないスターシステムの宝塚での上演。この群像劇を、圧倒的な存在感を発揮する真風が締めた。

小学時代の幼なじみカナと再会し、淡い思いを抱く展開。ハード系の衣装から浴衣姿で夏祭りへ行く場面など、多様な装いを披露しつつ、真風ならではのノーブルさも堅持。宝塚版「HiGH&LOW」をファンに提示した。

カナは、トップ娘役潤花が好演。真風を頂点に、実力派の芹香、ダークな役も武器になった桜木に、瑠風や鷹翔も、それぞれが持ち場で輝きを発揮した。

ショーは藤井大介氏の作・演出で、イタリアを舞台に展開。男役としての色気、大人の男らしい包容力を持つ真風が「イタリア随一のだて男」として多彩な場面に挑戦。女役に臨んだ桜木との妖艶なダンスでも魅了した。【村上久美子】

◆おことわり 公演日程については変更の可能性があります。最新情報は、宝塚歌劇団の公式ホームページなどで確認ください。