10月ドラマ。ざっと見たところ、本命は月9の「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」だろうか。二宮和也、大沢たかお、中谷美紀の豪華トリプル主演。聖夜の1日の謎と奇跡を描いた物語と内容も興味深い。次いで鈴木亮平の「下剋上球児」。「TOKYO MER~走る緊急救命室~」以来2度目の日曜劇場主演、演出をヒットメーカーの塚原あゆ子が務めこちらも期待できそう。
若者に人気が出そうなのが高橋文哉と志尊淳ダブル主演の「フェルマーの料理」。原作の漫画を読んだが、数学×料理と切り口が面白い。あと深夜枠では「時をかけるな、恋人たち」、映画「サマータイムマシン・ブルース」の永山瑛太と上田誠(脚本・ヨーロッパ企画)が再びタッグを組む。主演を務める吉岡里帆も相性がよいと思われる。
そして、今回取り上げるのはすでに放送がはじまっている「パリピ孔明」。原作は漫画ですでにアニメ化にもなっている人気作品。物語は、三国志の諸葛孔明が現在の日本に転生し、出会った歌姫(女性歌手)の夢をかなえるためにマネジャーになって奮闘する音楽青春コメディー。この時点で?となるが(笑い)、実際に観ると非常によくできた企画であった。
まず今どきの転生ものだが、諸葛孔明だということもあり、歴史的にも語られるその頭脳を使って天才的な策略(プロモーション)を考える。そして音楽業界が舞台なこともあり、フェスやSNSなど今どきのツールを駆使していく。ブームにもなったが「推しの子」が芸能界の裏側を描いていたのに対し、こちらは音楽業界の裏側を面白おかしく描いている。
漫画やアニメ版も良かったが、ドラマはドラマでまた違った雰囲気ですごくよい。ドラマや映画は韓国に後れを取っていると言われるが、予算規模以外のところではかなり健闘しているのではなかろうか。企画自体は漫画だが、よいところを生かしながらきちんと実写化に昇華出来ている点はかなり評価できると思う。
さてそこで最後になったが、今回紹介したいのは「パリピ孔明」でヒロインを務める上白石萌歌(23)。主演(諸葛孔明)の向井理と、働くバーのオーナーを務める森山未來との競演。向井はかなりのはまり役、森山も相変わらずの芸達者で、上白石を加えた3ショットの雰囲気がまたいい。
これまで優等生役が多かったが、今回は弾けた役で新たな一面が見られるのかと期待。序盤は少し遠慮がちな印象だが、これから同年代の八木莉可子や宮世琉弥が出てくることから、さらなる化学反応を期待している。そもそも演技も歌唱力も高いレベルで安定していることもあり、ドラマの役同様彼女の飛躍にも大いに期待したい。
◆谷健二(たに・けんじ)1976年(昭51)、京都府出身。大学でデザインを専攻後、映画の世界を夢見て上京。多数の自主映画に携わる。その後、広告代理店に勤め、約9年間自動車会社のウェブマーケティングを担当。14年に映画「リュウセイ」の監督を機にフリーとなる。映画以外にもCMやドラマ、舞台演出に映画本の出版など多岐にわたって活動中。また、カレー好きが高じて南青山でカレー&バーも経営している。直近では映画『その恋、自販機で買えますか?』『映画 政見放送』が公開。





