覚せい剤取締法違反の罪(所持、使用)で起訴された、元C-C-Bメンバーの田口智治被告(54)の初公判が16日、横浜地裁で行われ、即日判決となった。検察による求刑1年6月のところ、懲役1年6月執行猶予3年の判決だった。

 黒のスーツ姿で真っ赤なネクタイを締めた田口被告は、裁判官に「職業は?」と聞かれると「ミュージシャンです」と答えた。

 検察側冒陳や田口被告の供述などによると、同被告が覚せい剤に初めて手を染めたのは約10年前。「興味本位で買ってしまった」という。その後、7月2日に逮捕される半年前までは定期的に購入し、常用していたという。逮捕の約1カ月前から、覚せい剤取締法違反の罪で有罪判決を受けたことのある知人と同居。「その友人から家賃代わりに覚せい剤を受け取って、半年ぶりに使用した」という。

 逮捕されたために、バンドリーダーだった渡辺英樹さん(享年55)の葬儀に参列できなかった。そのことを悔いていて、「死去は拘留中に新聞報道で知った。非常に申し訳なかったと思っている」と話した。

 今後については、病院で薬物治療を行い、音楽を通じた社会貢献を行いたいと訴えた。

 逮捕後、都内の自宅に戻ると、近所の人たちから「いつでも返っておいで」「力になるよ」などと温かい言葉をかけられたとして、「本当に申し訳ないことをした」と涙ぐみながら反省の言葉を口にした。

 判決によると、7月1日ごろ、都内の自宅で若干量の覚せい剤を気化させて吸引し、翌2日に約0・172グラムを所持したとしている。

 神奈川県警は7月2日に被告宅を家宅捜索し、覚せい剤やガラスパイプなどを押収、現行犯逮捕していた。