木村拓哉(44)が11日、東京・日本医師会館大講堂で行われたTBS系主演連続ドラマ「A LIFE ~愛しき人~」(1月15日スタート、日曜午後9時)のプレミア試写会で舞台あいさつに登壇した。大みそかにSMAPが解散してから初めて公の場に姿を見せる。客席には大勢のファンもいた。取材陣も「解散」について質問を投げかけようと大挙した。

 共演者もいる舞台あいさつでは、解散について触れることは一切なかった。表情も明るく、自然に振る舞っているように思えた。

 イベントも終わり、登壇者が次々と退場した。木村も場内の拍手に送られる形で、ステージ袖に消えようとした。そこでステージ前に駆け寄り、声を掛けた。

 木村は、内容を確認するように耳を傾け、立ち止まった。解散後、ファンの前に初めて登場した心境を聞いた。「やるべきことを、やるのみなんで」と、うなずきながら答えた。即答だった。

 他の登壇者は既に全員退場していた。その流れに沿って木村も退出してよかったはずだが、取材を避けようとはしなかった。質問すると、まっすぐにこちらを見て答えた。

 続けて、気持ちの変化を聞いた。「それは、変わることっていうのは確実にありますけど…」と現実も受けとめた上で「もう今は、やるべきことをちゃんとやります」と落ち着いた口調で答えた。

 テレビ局の女性スタッフが、取材をさえぎるように「ありがとうございました」と声を掛けると、木村はようやくステージ袖に向かって歩き出した。さっそうと退出する背中に取材陣が再び声を掛けた。「どんな1年にしたいですか」。聞こえないふりをしてもよかったと思うが、木村は立ち止まって振り向いた。再度「どんな1年にしたいですか」と聞かれると、先ほどよりも少し声のトーンを上げて「全力で!」と元気よく答えた。白い歯を見せてニコッと笑うと、観客席から歓声が上がった。

 ステージ上で行われた舞台あいさつではドラマの収録について、「まだまだ1話が始まったところではありますが、最後まで絶対に逃げずにやり抜きたいと思います」と話していた。

 「逃げずに」という姿勢は、取材に対しても貫かれていた。【横山慧】