宝塚歌劇団月組の「グランドホテル」新人公演が17日、兵庫・宝塚大劇場で行われ、新人最終7年目の夢奈瑠音(ゆめな・るね)が初主演を務めた。

 オープニングは単身、スポットライトを浴びながらの登場。初主演で、いきなり難易度の高い出番をこなし、夢奈は「自分の中で、大きな財産を得ました」とほほ笑んだ。

 夢奈は10年入団の96期生。7年目までが出演する新人公演では、劇団全5組の中でも、ラストチャンス。大トリで初センターに立った。

 今作「グランドホテル」は、93年に涼風真世の退団公演として宝塚初演。本公演は、9年目の若き新トップ珠城(たまき)りょうの本拠地お披露目作で、30日まで上演中だ。1928年のベルリンにある高級ホテルへ訪れる人々を描いた群像劇になっている。

 夢奈は自己採点について「深い感情を出し切れなかったので、65点です」と厳しめの評価ながらも、新人最年長として全体の採点は「群像劇なので、まとまりが必要でしたが、しっかりおけいこ通り出せたので、90点です」と胸を張った。

 ヒロインは夢奈より1学年後輩ながら、新人公演以外にもバウ公演、シアター・ドラマシティなど外部劇場公演でのヒロイン経験も豊富な海乃美月(うみの・みつき)。海乃は「役柄へ感情が入りすぎて、できなかったこともあったので、50点もいかないです」と反省を口にした。

 本公演では2番手スター美弥(みや)るりかが務める準主役には、故夏目雅子さんのめいで3年目の風間柚乃(かざま・ゆの)が抜てきされ、熱演を見せた。

 東京宝塚劇場での新人公演は3月9日。