俳優仲代達矢(84)が13日、プロ野球の日本生命セ・パ交流戦巨人-ソフトバンク戦(東京ドーム)の始球式に登場した。大観衆が見守る中、84歳を表す「84」の背番号が入ったユニホームを着用。大きく振りかぶって投じた1球が巨人の小林誠司捕手(28)のミットに1バウンドで収まると、大きな歓声と拍手を浴びた。

 50年来の巨人ファンだけに「今日は長嶋(茂雄)さんや王(貞治)さんもお見えになって、みなさんの前で投げられて夢のようです」と振り返った。高揚感で昨夜は眠れなかったというが、「(投球は)120点。今日は安眠できるぞ」と満面の笑みを浮かべた。

 20代のころは俳優座の草野球チームに所属し、下手投げの投手だったという。始球式の1時間前には、巨人の高橋由伸監督(42)から「ちょっと遠いと思うので上目に投げて下さい」と助言を受けながらブルペンで投球練習を実施。「(俳優は)お客さん相手の商売ですけど、こんな何万人も入るところは生まれて初めて。(高橋監督には)上目と言われたけど、お客さんがたくさんいて、どこが上だか分からなくなった」と周囲を笑わせた。

 「あ~、良かった。来年も投げたいな」と“連投”の意欲も示した仲代が主演する映画「海辺のリア」(小林政広監督)も、絶賛公開中だ。