米人気歌手テイラー・スウィフト(27)が米国時間14日、元ラジオDJのデビッド・ミュエラー(55)をセクハラで訴えていた裁判の最終弁論が行われ、陪審はミュエラーが2013年、公演前の記念撮影でスウィフトを襲い、虐待したとの評決を下した。

 米ピープル誌電子版などによると、4時間におよぶ審議の末、8人の陪審員たちが全員一致で結論に至ったというが、裁判で勝利を収めたスウィフトは、ミュエラーに対し要求していた1ドル(110円)を受け取るとともに、スウィフトの母とマネジメント会社も、ミュエラーのラジオ局との雇用契約を意図的に妨害したわけではないことが認められたという。

 評決が読み上げられた後、スウィフトは弁護士や母アンドレアさんと抱き合い、陪審員たちに感謝の言葉を述べた。その後、スウィフトは声明を発表し、「裁判官と陪審員の皆さんが、慎重に検討してくださったことに感謝したい。私のために闘ってくれた弁護士たちや、性的虐待の被害者たち、そして、特に4年間にわたる厳しい試練や、2年にわたる長い裁判プロセスを支えてくれた皆さんに感謝したい」とコメント。

 さらに、「私はこのような裁判で、自分を弁護するために莫大(ばくだい)なコストを背負う能力や特権が自分にあることを知っています。性的虐待に陰で苦しんでいる人々を助けることが、私の希望です。近い将来、そのような人々を支援する複数の団体に寄付するつもりです」と語った。

 この日の最終弁論では、ミュエラーの弁護士が、事件当時、ミュエラーとその恋人、スウィフトの3人で撮影された記念写真を提示しながら、「これがお尻をつかまれた人の顔の表情ですか?ショックを受けている人の顔でしょうか?」と陪審員らに訴えると、スウィフトが屈辱の涙をぬぐう場面もあったというが、6日間におよぶ裁判は、スウィフト側の勝利でついに幕を閉じた。(ニューヨーク=鹿目直子)