千葉市の幕張メッセで6月にあったアイドルグループ「欅(けやき)坂46」の握手会で発炎筒に点火してイベントを中断させた上、ナイフを所持していたとして、威力業務妨害と銃刀法違反の罪に問われた札幌市白石区の無職阿部凌平被告(25)に千葉地裁は2日、懲役2年、保護観察付き執行猶予3年(求刑懲役2年)の判決を言い渡した。

 楡井英夫裁判官は判決理由で「インターネット上で中傷を受けていた欅坂46のメンバーへの同情を集めたかったという動機は理不尽で、大規模な握手会を妨害した犯行も悪質だ」と指摘。メンバーやファンらに謝罪しているとして、執行猶予付きの判決とした。

 検察側は論告で「過去にAKB48のメンバーが切り付けられた事件に影響された犯行で、酌量の余地はない」と指摘。

 阿部被告は被告人質問で「騒ぎを起こせばメンバーへの同情が集まると思った」と動機を述べて謝罪し、弁護側は執行猶予付きの判決を求めていた。

 判決によると、阿部被告は6月24日午後7時40分ごろ、握手会中に発炎筒に点火してイベントを中断させたほか、会場で果物ナイフを所持した。