NHK連続テレビ小説「わろてんか」でキース役を演じる大野拓朗(28)が11日、堺市の大阪刑務所で一日刑務所長を務めた。

トークショー後、大野は「大阪の芸人」になりきるために住民票を大阪市内に移したことを明かした。東京出身のイケメン俳優のコテコテの“大阪人化計画”が進行中だ。

 劇中のキースは「しゃべくり漫才」を生み出すことになる重要な役柄。撮影開始前の4月中旬に住民票を移した大野は「わろてんかのチームでは(住民票を移したのは)ボクだけ。普通に東京の家を引き払ってきたのですが、みんなから『バカだな(笑い)』って」と打ち明けた。異例の大阪移住に「大阪人になりたかった。関西弁でお芝居をするのですから関西弁を“母国語”としたかった」と話した。

 「わろてんか」は、明治後期から昭和初期の大阪を舞台に、日本で初めて「笑い」をビジネスにした吉本興業の創業者・吉本せいの半生をモデルにした物語。コテコテの大阪が舞台だ。

 大阪移住前には「もともと芸人さんたちが多く住んでいる地区を聞いたりした」とリサーチしたことも明かし、大阪ライフを「安くておいしいお店がむちゃくちゃ多い。親切な方が多くてとっても住みやすい」とすっかりなじんだ様子。串カツ店が軒を連ねるディープスポットの大阪市浪速区の繁華街、新世界にも足を運ぶという。

 役作りのため吉本新喜劇のけいこを見学するなど、吉本新喜劇の浅香あき恵を通じて「乳首ドリル」の吉田裕などと親しくなった。「おさむちゃんで~す!」などのギャグで一世を風靡(ふうび)した漫才コンビ「ザ・ぼんち」のぼんちおさむの自宅に招かれ、お酒を飲む仲だ。

 「大阪人計画? けっこう進んでます。プライベートでは完全に関西弁は話せない。でも芝居のセリフはいけます。6割ぐらいは大阪人になってきたかな。半分以上ということは大阪人です(笑い)」。

 この日は社会復帰に向けて更生に励む受刑者らが作った製品を展示即売する「第30回関西矯正展」のテープカットに出席。トークショーも開催した。