ものまねタレント清水アキラ(63)の三男で、覚せい剤取締法違反(使用)の罪に問われた元タレントの清水良太郎被告(29)の初公判が15日、東京地裁(恒光直樹裁判官)で行われた。起訴内容を認め、検察側が懲役1年6月を求刑し、結審した。判決は22日。

 検察側は冒頭陳述で「知人に覚醒剤を勧められ、今年5月ごろから月7回程度使用していた」。また、事件現場の東京・池袋のホテルで派遣型風俗店勤務の女性に覚醒剤を口移しで吸引させたとも指摘した。

 良太郎被告は被告人質問で声を詰まらせながら「(警察署に)面会に来た父が泣き崩れる姿を見て、とんでもないことをしたとあらためて思った」。覚醒剤を使用した理由は「薬物を使うことで作詞作曲がはかどるといううわさを聞いて興味があった。バレなきゃいいと思った」。最後に「父や環境に甘えていた。信用される行動をとっていきたい」と反省の弁も口にした。

 薬物を断つ手段として、弁護側が携帯電話の電話番号変更や交友関係の見直し、家族のサポートや薬物検査キットの所有などを挙げた。一方で、薬物依存について良太郎被告は「ないと思う」と証言。薬物依存の治療予定も具体的なものはないと答えるなど、薬物への認識の甘さもみられた。この日、情状証人として証言台に立った兄の清水友人氏は日刊スポーツの取材に「(治療などは)今後、家族で話し合いをします」と話した。

 起訴状では、10月10日ごろ、東京都豊島区のホテルで覚醒剤を使用したとしている。良太郎被告はバラエティー番組やテレビドラマに出演していたが、2月に違法カジノ店に出入りしたことが報じられ謹慎していた。また、事件後は事務所から解雇された。