NHKは19日、東京・渋谷の同局で、20年の大河ドラマの発表会見を行い、明智光秀を主人公に戦国時代の武将たちを群像劇として描く「麒麟がくる」に決まったと発表した。主演の光秀役は長谷川博己(41)。長谷川は「明智光秀は三日天下ですが、僕はこれをやり遂げた後に1年ぐらいは天下が欲しい」と語った。原作はなく、池端俊策氏が脚本を担当する。

 長谷川は会見の冒頭、「感動しています。実感がわかなかったが、こうして写真を撮られ、すごいことと実感しています」と素直な気持ちを吐露した。

 今年10月スタートの連続テレビ小説「まんぷく」ではヒロインの夫を演じる。同作の撮影が終わると、約4カ月後の19年6月には大河の収録が始まる。「難しいかと一瞬立ち止まった」としたが、脚本の池端氏と16年のNHKドラマでタッグを組み「いい経験ができ、先生の作品にまた出たいとずっと思っていた。題材もミステリアス。先生の話で光秀像が鮮烈に伝わり、これはやらねばと思った」と出演を決めたという。また「長旅になるが、乗り越えた後、人が見られない景色が見られるかと思った。光秀は三日天下、僕はやり遂げた後に1年ぐらいは天下が欲しい」と笑った。

 光秀は主君の織田信長を討ち滅ぼした謀反人などとして、一般的に好印象ではない。また、謎も多く、本能寺の変に至った動機も諸説ある。池端氏は「光秀はたった14年で信長の信頼を得て引き上げられた。秀吉でさえ20年以上。光秀はよほどの魅力があったはず。儒教思想で良くない人物として伝説がつくられ、現在まで尾を引いているが、光秀の魅力を探りたい」と題材に選んだ理由を説明した。また、長谷川を「人間の内面を表現させたらピカイチ」と評した。

 長谷川は戦国時代同様、先の見えない現代に「光秀は今の日本に必要な存在と感じるように演じたい」。また「俳優にとって大河主演は1つの目標。大河の主演らしくやり遂げたい」と抱負を述べた。これまでの光秀の印象は反逆者と話したが「本能寺の変の後、死んだとされるが、実は生きていたという話もある。夢があっていい」とした。

 最後は「次、まず朝ドラをやらないと。そっちの方で頭がいっぱい」と笑った。朝ドラ出演後、翌年に大河の主演を務めたのは86年「はね駒」後、87年「独眼竜政宗」の渡辺謙がいる。