石原さとみ(31)が「第21回日刊スポーツドラマグランプリ」で主演女優賞を受賞した。1月期TBS系「アンナチュラル」で演じた法医解剖医の主人公ミコトで新境地を開拓した。石原の主演女優賞受賞は2年ぶり2度目。

 2年前も、フジテレビ系「5→9~私に恋したお坊さん~」で主演女優賞を受賞した。トロフィーを受け取った石原は「あれ、前回とデザイン、ちょっと違う?」。2年前をしっかりと覚えていた。

 受賞を伝えると「素直にうれしい。アンナチュラルは本当に頑張ったので。けっこう大変だったので」と振り返った。これまでとは少し違う、冷静なリアリストを演じた。

 「感情の幅をキープするのがちょっとだけしんどかった。喜怒哀楽があるほうがストレス発散になるけれど、ミコトは感情が豊かな子ではない。ニュートラルな部分を強くキープするのが大変でした」。

 こびず、浮つかず、おごらない。主人公ミコトの姿勢に共感した視聴者も多かったはずだ。脚本の野木亜紀子氏からは、顔合わせの会で「職場で風を起こしたり情熱的になりすぎて空回りする子は普通はいない。クールに立ち回っている子がいっぱいいるから、そちらを描きたい」と言われたという。

 「私も20代の頃は、よりドラマらしいドラマをやりたかった。でも30代に入って、等身大の30代をやりたいと話していたので、『野木さんそうですよね、叫び出すヒステリーな人はいないですよね。みんなのみ込みながら、矛盾や不条理と葛藤しながらやってますよね』と話しました」。

 エンディングにも納得した。

 「アンナチュラルは全話に対して、ほろ苦さとか、ひっかき傷が治っていないものが感じられるところが好き。生きてる限りハッピーエンドはないから、また日常に戻るっていうサラッとした感じが好きでした」。

 続けて「わざわざ続編につなぐような終わり方をしていないのもうれしい(笑い)。気持ち的にはやりたいけど、匂わせ、出し惜しみがない感じがうれしかった」と笑った。【杉山理紗】