映画「万引き家族」(6月8日公開)で第71回カンヌ映画祭の最高賞パルムドールを受賞した是枝裕和監督(55)が23日、羽田空港着の航空機で帰国し、受賞の喜びを語った。

 カンヌから仕事先のニューヨークを経てこの日夜、帰国したばかり。紺のジャケットのラフな姿で、トロフィーを右脇に大事そうに抱えて登壇した。「ようやくここに帰ってきて、スタッフのにこやかな顔を見たら、ちょっと(受賞の)実感が沸いてきました。来月公開に向け、今度は宣伝活動を始めないといけない。緩んだ笑顔を見せている場合じゃない。気合を入れたい」と気を引き締めていた。

 日本作品のパルムドールは、97年の「うなぎ」(今村昌平監督)以来、21年ぶりの快挙。是枝監督にとっては、15年の「海街diary」以来、3年ぶり5度目のコンペ出品作で、初の栄冠となった。

 年老いた母の年金と、万引きで得た物で生計を立てる軽犯罪一家と、その崩壊を、リリー・フランキー(54)安藤サクラ(32)樹木希林(75)ら実力派俳優を起用し、描いた作品。今回のパルムドール受賞を受け、6月2、3日に全国で先行公開されることがこの日、発表された。公開館数も当初予定の全国200館から、300館以上で公開されることが決まっているほか、世界149カ国・地域へ販売される。