元宝塚歌劇団娘役トップの女優陽月華(38)初主演の映画「かぞくわり」(塩崎祥平監督)の公開初日舞台あいさつが19日、東京・有楽町スバル座で行われた。

映画は、民俗学者・折口信夫が書いた「死者の書」をヒントに、日本で最も古い歴史を持つ奈良に住む、平凡な家族を通して「今本当に守るべきもの、残すべきもの」とは何かを問う。主演の陽月は、画家になる夢に破れた女性を演じる。

陽月は初主演について「大変光栄でしたが不安もありました。でも、頼もしい家族と一緒に映画を作っていくことで、とても勉強になりました」と振り返り、画家役について「指導していただいた先生が『気にしないで自由にやっていいよ』と言ってくださったのと、積み重ねていくうちに絵を描くことに慣れていきました。絵に対する気持ちも教えていただきましたし、絵から出るエネルギーに助けられました」。

陽月の父親役の小日向文世(64)は、「台本を初めて読んだときはのんきなお父さんだと思いましたが、読み進めていくうちに、深い、暗い部分も持っている人だと感じました。でも、できるだけ明るくふるまおうと思いました」と撮影を振り返った。

母親役の竹下景子(65)は、「楽しい楽しい家族の現場でした」と第一声。「『松子』(マツコ)という名前がインパクト抜群。浮気や不倫など悩みを抱えている家族も多いと思うけど、この映画を見ていただいていろんな意味で背中を押してあげることができれば」と語った。

陽月は「とても不思議で、家族、前世などいろんな要素が含まれた映画です。絵に助けていただいて、絵も楽しめる作品になってます」とアピールし、あいさつをしめくくった。