俳優奥田瑛二(68)が18日、大阪市内で主演映画「洗骨」(2月9日公開、照屋年之監督)の取材会を開き、出演を決める際に照屋監督から言われた、ある口説き文句を明かした。

本作はお笑いコンビ、ガレッジセールのゴリが本名で初監督を務めた作品。沖縄・粟国島(あぐにじま)を舞台に同県の離島などに残る、死者の骨を洗う神秘的な風習「洗骨」をテーマに、壊れかけた家族の絆の再生をコミカルに描く。

奥田は妻を亡くし、生きる希望が見いだせないダメな父親役を演じた。

主演のオファーが来た際、監督に直接会って自分を選んだ理由を尋ねたという。監督から「目です」と、言われたことを明かし「役者に対して『目』って口説き文句だよなと思った」。続けて監督から「奥田さんの目の奥にある悲しさ、悲しみの目。それが良いんです」という、心に響いた言葉を語った。

撮影は17年9月から約1カ月間、行われた。クランクインに向けて、自身の中の「悲しみの目」を探して役作りに励んだという奥田。自分なりに役を作り上げて臨んだ最初の撮影シーンで監督から「奥田瑛二が残ってます」と言われ、冗談交じりに「誰に言ってんだよ、奥田瑛二だよオレは」と無意識に返してしまい、監督が動揺していたと笑顔で振り返った。

その後、沖縄の景色を前にもう1度考え「風船の空気が抜けるみたいに(奥田瑛二が)気持ちよく出ていった」。次の撮影シーンでは監督から「それです、抜けてました」と、褒められたエピソードを語った。