平成が終わり新時代「令和」が幕を上げた。

新時代の初仕事は、X JAPANのギタリストhideさんをしのぶファンイベント「hide Memorial Day 2019~春に会いましょう~」の取材だった。

X JAPANがまだアマチュアバンド「X」だったころを知る自分にとって、これほどまで大きな存在になるとは、正直想像もしていなかった。当時のXはTOSHIとYOSHIKI以外は、ライブの度にメンバーが変わっていた。あのころのインディーズ界で、「元Xのメンバー」を名乗る者は少なくなかった。

まだ大学生だった自分は、演奏よりも、火を吹いたり、楽器を燃やすなどの過激なパフォーマンスに目がいき、単なる“色ものバンド”だと思っていた。実際、それらの行為から出入り禁止のライブハウスも多かった。そんな彼らを受け入れていたのが神楽坂エクスプロージョンで、Xのホームだったはずだ。

今や伝説のテレビ番組だが、「天才たけしの元気が出るテレビ」で「早朝ヘビメタ」を見たのもそう思った一因だ。あの当時、「ヘビーメタル」を「ヘビメタ」と呼ばれるのをバンドマンは嫌っていた。少なくとも、自分や自分の周りではそうだった。

だが、その後の躍進は言うまでもない。

自分は、hideさんのことは知らないが、逝去から21年がたっても、ファンをひきつける“ロックレジェンド”の1人であることは間違いない。今でも墓前には花が添えられ、今回の献花式にも約4000人が集まった。フィルムコンサートでは、盟友PATAがhideさんのギター“PAINT”を94年以来25年ぶりにステージでよみがえらせ、涙するファンもいた。もはやオリジナルメンバーでのX JAPANを生で見ることはできないが、時代が変わろうともhideさんが、そしてX JAPANが残した作品は輝き続けるだろう。その現実を大学生だった自分に教えてやりたいと、しみじみと思わされた取材だった。【川田和博】