NHKドラマ「トクサツガガガ」出演で話題の女優、吉田美佳子(20)が、黒子で演じる舞台「新浄瑠璃 百鬼丸」が11日、東京の座・高円寺1で開幕する。吉田はこのほど取材に応じ、「絶対面白くします。目標は生涯女優」と意欲を語った。

原作は手塚治虫漫画「どろろ」。吉田は、天下取りを狙う武将の父が魔物と契約したために体の48カ所を失った赤子「百鬼丸」役。演技の大半は、舞台上で声と表情による感情表現のみ。黒子として、ドラマ「相棒」に出演する山中崇史(48)ら、生身の役者と向き合う。

難役挑戦となる吉田は「感情だけで普通に話すとボソボソとなるところも、きちんと伝えないといけない。難しいですが、体を使えない分、声のトーン、響きを豊かに繊細にやれたらいいなと思っています」と意欲を示した。

今年1~3月に放送され、秋にDVD発売も決まった「トクサツガガガ」は、出演者の個性などが評価され「ギャラクシー賞」の3月月間賞を受賞。同ドラマで吉田は、小芝風花、倉科カナ、木南晴夏らにまじりアイドルオタクのみやびさん役を熱演した。「舞台でやった役作りがテレビでも通じると分かって、自信になりました」と手応えを得た吉田。小芝の表情、倉科の気さくな人間性、木南の演技のリアクションなど、先輩女優から得るものも多かったという。連続ドラマ初出演で「みんなに見てもらえるって大きいです。SNSのフォロワーも4倍以上になりました」と反響にも驚いている。

17年の舞台「ARATA」ではせりふのない役を演じ、海外の女性監督のショートムービーにも出演(来年公開予定)するなど、演技の幅は広い。今後について「魔物も悪女も。毎日違う吉田美佳子を見せたい」と語った。

蜷川幸雄さんの舞台なども手がけた脚本演出の横内謙介氏は「演技力がこれだけある女優は久しぶり。宮崎あおいさんのような存在感」と吉田を評価。「この1、2年で一気に(ブレークが)来てもおかしくない」と予告した。【大井義明】

◆吉田美佳子(よしだ・みかこ)1999(平11)年3月30日、東京生まれ。14年にスカウトされ、同年舞台「つか版・忠臣蔵~大願成就討ち入り篇」で女優デビュー。現在大学3年で英語、中国語を学ぶ。チャームポイントはおでこ。好きな女優はナタリー・ポートマン。身長159センチ、血液型A。