来年5、6月に東京・帝国劇場で上演されるミュージカル「ミス・サイゴン」のヒロインのキム役に、高畑充希(27)昆夏美(27)大原桜子(23)屋比久知奈(24)が決まったことが16日、分かった。ベトナム戦争を背景に、ベトナム少女キムと米軍兵士クリスの悲恋を描いた作品で、過去にキム役は本田美奈子さん、松たか子、笹本玲奈、新妻聖子らが演じてきた。

オーディションで決まったもので、高畑、大原、屋比久は初、昆は3度目の出演。帝劇初登場の高畑は「夢の役の1つでした。うれしかったけれど、今は作品の大きさにつぶされそうで武者震いがします。公演までの1年間にできる限りのことをしたい」、同じく帝劇初の大原も「1年半前にブロードウェーで見てあこがれた。その後、オーディションを知り、ご縁を感じた。難しい役で不安はあるけれど、頑張ります」。

帝劇の「ミュージカルのど自慢」でキムが歌う「命をあげよう」で最優秀賞となり、デビューのきっかけとなった屋比久は「いつかやってみたい役でした。プレッシャーはあるけれど、キムとして生き抜きたい」。昆は前回公演前に声帯を痛め、帝劇公演を休演しただけに「反省と悔しさがある。難しいけれど、やりがいのある役。元気いっぱいで必死に役を演じたい」とリベンジを誓った。

92年初演から狂言回し役のエンジニアを演じる市村正親(70)は「キムは激しい人生を生きる役だから、心の中で楽しんで、キムとしては苦しんでやってほしい。女優としてキムを演じることはすてきなことで、キムのすべてを感じとってほしい」とエールを送った。