11月24日付で退団する花組トップスター明日海(あすみ)りおが25日、プレ・サヨナラとなる横浜アリーナ公演「恋スルARENA」初日を迎え、ファン1万人を動員した。

今年105周年の劇団では、98年に当時花組トップだった真矢みき(現・真矢ミキ)、14年には星組トップだった柚希礼音が日本武道館公演を行っているが、横アリは初めて。

横浜にちなんだ楽曲、場面を演じ、アリーナを意識した冒頭のストリート風衣装は、明日海自らがデザイン。今公演がお披露目となった4人目の相手娘役、華優希(はな・ゆうき)らとともに、アリーナのステージを走り回った。

「皆さまにも恋していただけたら、うれしいです」。明日海はこうあいさつし、華を「恋するニューヒロイン、華優希ちゃんです」と紹介した。初日のこの日は、月組時代からの仲間で花組から月組へ戻った鳳月杏も出演。瀬戸かずや、水美舞斗(みなみ・まいと)ら花組メンバーを従え、客席をわかせた。

月組時代は劇団初の準トップ、花組へ移ってトップ5年半の長期在位で、劇団史に名を刻んだ明日海が「最大の後悔」と言うのが、最下位に終わった100周年運動会だった。

「このままでは卒業できない」。運動会では、当時トップの柚希礼音が率いた星組との綱引きで、仕切り直して敗れるなどし、屈辱を味わった。

「あの日、私たち花組生は失意のどん底に突き落とされました。あんなに悔しかったことはないです」

明日海の告白をきっかけに綱引き、玉入れなどのパフォーマンスを展開。明日海は「これで悔いもなく、これから始まるラスト・ステージ(8月23日開幕の退団公演)に向かえます」と満面笑みで話していた。

公演では、妖艶な女役にも挑戦。明日海は自身の誕生日の26日も同所で公演を行う。