NHKは21日、MDMAを所持したとして、麻薬取締法違反容疑(所持)で警視庁に逮捕された女優沢尻エリカ容疑者(33)が出演予定だった来年の大河ドラマ「麒麟がくる」(1月5日スタート、日曜午後8時)について、代役を女優川口春奈(24)が務めると発表した。川口は時代劇初挑戦。沢尻容疑者は正式に降板となる。また、関係者によると初回が1月5日から数週、遅れる可能性があるという。

NHKは川口の起用理由を「確かな演技力があり、戦国武将の娘としての気高さと強さを表現していただけると考えた」と説明した。時代劇初挑戦の川口だが、役にはピッタリと判断したようだ。

川口が、沢尻容疑者の代わりに演じるのは、斎藤道三の娘で、織田信長の正妻という第2のヒロインともいえる重要な帰蝶(濃姫)の役。主演の長谷川博己が演じる明智光秀と絡むシーンが多い。初回から登場して作品の終盤まで出演する予定だ。

一方、沢尻容疑者が参加した収録は6月から始まっている。関係者によると、すでに10話分ほど収録済みとされ、川口は遅れを取り戻すために、急ピッチで収録を行うことになる。1人のシーンの収録だけでなく、共演者との収録もあり、今後、相手のスケジュールの問題も出てくる。川口はこれから1年近く同作の収録のためにスケジュールを空けることになりそうだ。場合によっては放送の数日前に収録することもあり得るという。

また、同関係者によると、制作現場は、12月初旬には撮り直しを始めて、何とか1月5日の放送開始日に間に合わせることを目指しているという。一方で、NHKは川口が「初回から登場する」と説明したものの、具体的な放送開始日については明言しなかった。「撮り直しや編集作業などのスケジュールを検討し、決まり次第お知らせします」とした。

別の関係者は「初回が予定の1月5日から数週遅れる可能があると聞いた。スケジュールの調整次第では、4週ぐらい遅れる危険性もあるようだ」と2月スタートの可能性も示唆した。

◆川口春奈(かわぐち・はるな)1995年(平7)2月10日、長崎県生まれ。07年に雑誌「ニコラ」の専属モデルとして芸能界入り。09年フジテレビ系「東京DOGS」で女優デビュー。10年のTBS系「ヤンキー君とメガネちゃん」、19年の日本テレビ系「イノセンス冤罪弁護士」などに出演。映画は17年「一週間フレンズ。」や19年「九月の恋と出会うまで」など。好きな食べ物は梅干し。血液型O。

◆「麒麟がくる」 大河ドラマ59作目。大河で初めて明智光秀を主人公にして、その謎めいた半生に光を当てる。美濃で生まれた青春時代から、主君織田信長に反旗を翻した本能寺の変までを描く。多くの英傑が「英傑以前」であった時代から始まり、それぞれの誕生も描く。光秀を長谷川博己、信長を染谷将太、斎藤道三を本木雅弘、光秀の正室、煕子(ひろこ)を木村文乃、今川義元を片岡愛之助、藤吉郎(のちの豊臣秀吉)を佐々木蔵之介が演じ、岡村隆史、高橋克典、伊藤英明らも出演する。