血液のがんの一種である症候性多発性骨髄腫で闘病中だと公表した漫才師、宮川花子(65)は11日、夫の宮川大助(70)と大阪市内で会見に臨み、半年ぶりの公の場でも、健在な花子節を発揮した。

冒頭、花子があいさつし、経緯を説明。主治医の奈良県立医科大学付属病院の天野逸人氏(58)が経過、状態を詳しく語り、花子が大助に話を振ると「えー」。即座に「はい。ということです」と切り、定番の漫才スタイルで、まず笑わせた。

全身7カ所に広がった腫瘍は、化学療法で奏功し消失。まひしていた両足に神経が戻り歩行訓練も始め、動かなかった右手で絵が描けるようになった花子を、大助が「アンビリバボー」と言えば「難しいこと言わんでええ」。

当初は状態が悪く、大助も「嫁の寿命をどう延ばしていくか」考えていたが、奇跡的な回復の末、記者会見まで実現。その流れを「今、ここに来ています。イッツ・ショー・タイム」と盛り上げたが、これも花子は「もう、いらんこと言わんでええ、言うてるやろ」とピシャリ。今はまだリハビリ中で、花子は「胸から上だけ見たら、大助君の方が病気や思うわ」と、達者な機関銃トークは健在だった。

また、昨年3月に腰痛で訪れた病院で、背中に腫瘍が見つかり「がんの転移なら、余命半年」の可能性を告げられたが、その際、大助はこれを聞き逃していた。結果的に、翌日の精密検査で転移による腫瘍ではないと判明し、余命半年ではなかったが、この一連の流れを大助だけが、この会見時点まで把握しておらず、天野医師までが「大助さんは今、気づかれたようです」。医師にまでつっこまれ、花子も「はい、大助君だけが知らんかった」と、さらにつっこんだ。

深刻さを笑いに代え、前向きさを失わない花子は、リハビリの継続で、退院のメドが立っていないことも吐露。「車椅子に自分で乗れるようになったら、退院したい」と言い、大助も「ここからまた、大助花子の人生劇場ですね」とうなずいていた。