GACKT(46)が、来年1月からスタートするソロデビュー20周年記念ライブツアーを前に、日刊スポーツなどの取材に応じた。歌手、俳優と枠にとらわれない多才ぶりが際立つが、その裏側には、心境の変化と何事にも本気で取り組む姿勢があった。

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ソロ20周年を飾るライブツアーのテーマは、ずばり「GACKTの無駄遣い、始めました」だという。来年1月11日のグランキューブ大阪公演を皮切りに20公演を行うが「20周年だから許される、ふざけた、笑えるようなステージを本気でやったらおもしろいんじゃないかと思い付いた」という。

これまでは、曲の世界観をシアトリカル(演劇的)に表現してきたが「ものすごくマジメな曲を、変な格好でやってみたり…。中途半端にやるとおもしろくない。本気でやるので、スタッフの数も変わらなかったり、無駄遣いしてます」。

5年前、10年前にはできなかったことといい「若いうちは、かっこつけたいじゃないですか? もともと性格が三枚目なので、ふざけたことをやり始めると、どんどん落ちていくんです。でも年を取って、許せるようになったんでしょうね。初めて来た方は、GACKTってこんなことをやっていたのかと勘違いしないように」と笑う。

今年はラグビー日本代表の躍進など、スポーツ界も盛り上がったが、ライブとの共通点も多いといい「生でしか見られない感動がある。そこでしか生まれない人のエネルギーがあって、心が揺れる瞬間って、共鳴が必要。それは画面やネットからは伝わってこないもの」と熱く語る。

今年は映画「翔んで埼玉」で初のコメディー作品に挑戦して話題になった。テレビ朝日系「芸能人格付けチェック!」では、09年から個人で58連勝中と“間違えない男”だが「例えば、洋画をずっと見ているだけで英語がしゃべれるようになるのではなくて、本気で勉強するから話せるようになる。ワインにしても、追求しているから分かるということです」。何事にも本気な姿勢は、これからも変わらない。【大友陽平】

○…12年からマレーシアが拠点だ。「毎日ルーティンで動いてます。10時起床→2時間お茶→3時間トレーニング→1時間お茶→2時間語学の勉強→1時間お茶→2時間仕事をして食事という感じです」。お茶をする時間は葉巻を吸うだけで、携帯電話も手にしない。「携帯に縛られていると気付いて…。今は与えられるものが多くて、自分で想像しなくなっている。例えば仲間と食事をして『何だっけ?』と調べたくなる時も“ググる”(検索する)の禁止にして。そうすると、かなり深くコミュニケーションも取れる」とGACKT流のコミュニケーション術も明かした。