元俳優の高知東生氏(55)が1日、都内で行われた厚生労働省主催の「依存症の理解を深めるための啓発イベント」に出席した。

高知氏は15年6月に俳優を引退、16年6月に覚醒剤と大麻所持の容疑で逮捕され、同年9月に懲役2年執行猶予4年の判決を受けている。

高知氏は取材陣を見渡して「笑っていいんですか。久しぶりというか、これだけあるとドキリとしますね。ねぇ、清原君」と、同じ出席者の元プロ野球選手清原和博氏(52)に笑いかけた。

高知氏は、薬物からの回復を目指す自助グループへの参加について「知らない人の前で自分のことを話すのはいやだ」と思っていたという。「どんなものか分からなかった。結果的に自助グループに行って、何でも話せるようになった。自分で自粛、謹慎していた時より、自助グループを知ってから楽になった。今までの年月は、なんだったんだろうと思った。俺、1人じゃないんだ。だったら早く行けば、よかったと思った。安心、ホッとできた」と振り返った。

高知氏に自助グループを勧めたのは、アルコール依存症から自助グループに参加することで回復した、ロックバンドZIGGYの森重樹一(56)だった。高知氏は「同じ苦しみ、悩みを持つ人がいた。自助グループに行くことでリカバリーできた」と話した。

薬物の依存症から回復する姿を見せることで周囲の反応も変わっていった。「マスコミの方も、気付いてくれた。ありがたい。回復している俺たちは、正しく反省して、同じ悩み苦しんでいる人の助けになれば。今、楽しくてしょうがない。捕まってよかったなと思うくらい」と笑顔を見せた。

懲役2年執行猶予4年の判決を受けた高知氏は、執行猶予が切れるまで約7カ月となった。高知氏は「俺らの姿が、どう見えるか。明日から、もっともっと変わると思いますよ。最初は執行猶予が1年、2年と短くなるごとに不安でしょうがなかった。今は忘れちゃった。切れるから、なんなのっていう感じ。あと7カ月だけど、全然不安はない」と話した。

同イベントはギャンブル、薬物、アルコールなどの依存症に苦しむ人の「回復を応援し、受け入れる社会へ」をテーマにミニライブや、トークショーを行った。当初は公開で行う予定だったが、新型コロナウイルスの影響で無観客イベントとして開催。ネットを通じて動画を配信した。