女優蓮佛美沙子(29)が11日、肺がんのため前日10日に亡くなった映画監督の大林宣彦(おおばやし・のぶひこ)さんを悼んだ。

蓮佛は大林監督の映画「転校生-さよなら あなた-」(07年公開)で映画初主演を果たした。蓮佛は「心にぽっかり穴が開く、とはまさにこういうことなんだと、視界がはっきりしないような、受け止めきれない思いです。私にとって、間違いなく光のような存在でした。私に芝居のイロハを、真髄を、全てを教えてくださった方でした」と今の心境を明かした。

大林監督との思い出については「訃報を受けてからずっと、出会った頃のことを思い返しているのですが、監督は私が知る限りいちばん魔法使いに近い人だったように思います。監督の存在に、声に、言葉に、計り知れない情熱と愛情が宿っていて、みんなそれに突き動かされて映画を作っていました。最後にお会いした時も、体は思うように動かせずとも、出会った頃と変わらないまなざしと熱量で次回作への思いを口にされていて、監督の魂の力強さに静かに感動したのを覚えています」。

さらに「芝居に正解も不正解もないんだから、美沙子のやりたいようにやってみなさい」と言われていたといい「右も左も分からなかった私に、毎日現場で優しく教え諭してくださったこと、今でも鮮明に覚えています。監督がくださったたくさんの言葉、情熱、愛情、ぜんぶを溢(こぼ)さず抱えて、私はこれからも頑張ります。また絶対、監督の映画の世界に連れてってくださいね。ご冥福をお祈りします」と悼んだ。