東京オリンピック(五輪)を記録する公式映画の監督を務める、河瀬直美監督(50)が国連教育科学文化機関(ユネスコ)が呼びかける世界的なオンラインディベート(討論)シリーズ「レジリアート」のモデレーター(司会)を務め、23日(日本時間)午後8時から「文化とコロナウイルス~アートの力を考える~」と題して討論会を配信する。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、あらゆる文化活動の停止が余儀なくされた日本の現状を考察し、議論し合う。

「レジリアート」は、現在の危機によってもたらされた大きな課題に直面する中、アーティスト、クリエイター、そして文化の専門家のレジリエンス(しなやかな強さ)を強化することを目的に、ユネスコが呼びかける世界的なプロジェクトだ。今回は、その趣旨に賛同し、劇作家で劇団「青年団」を主宰する平田オリザ氏(57)、日本初の国際短編映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル」を主宰する俳優の別所哲也(54)、ギタリストMIYAVI(38)、オランダ・アムステルダム在住のピアニスト向井山朋子と河瀬監督の5人で語り合う。 <1>外出自粛などにより、アーティストが直面している束縛・問題

<2>保健・健康に関する危機がクリエイティブな職業に及ぼす現在および将来の金銭的な影響

<3>現在および危機収束後、政府、国際機関および民間セクターなどがアーティストのためにできる支援

<4>コンテンツの無料オンライン掲載の増加およびアーティストや文化の専門家の多様な活動・就労形態といった現状を踏まえた、アーティストなどの社会的地位、危機に対応する文化政策および資金調達モデルの企画・立案・実施等を含む芸術文化支援のあり方

の、4つの主要テーマについて討論する。

非日常が日常となりつつある中、新型コロナウイルスとの共存が問われ、新たな価値観の模索が始まっている状況下で

「新型コロナウイルスにより、文化の状況についてどのような課題が表出しているか?」

「なぜこの危機の中、文化について考える必要があるのか?」

「外出自粛要請や『三密回避』を巡り、どのようなイニシアチブや取組みがあるのか?」

「不安定な地位にあるフリーランスとして活動するアーティスト等を支援するため、何ができるのか?」

「感染症の拡大により、女性クリエイターが直面している課題は何か?」

「不透明な未来に向けてレジリエンスを高めるべく、文化クリエイティブセクターはこの危機から何を学ぶのか?」

といった問題を、河瀬監督が司会となって他の4人のパネリストと考える。

「文化とコロナウイルス~アートの力を考える~」は23日午後8時から、河瀬監督がエグゼクティブディレクターを務める、なら国際映画祭公式フェイスブックでライブ配信する。