上方落語協会会長の笑福亭仁智(68)が「第55回大阪市市民表彰」を受け、18日、大阪市内で、喜びを語った。同賞は大阪市が文化の向上発展への貢献、功績などを表彰するもの。仁智は、コロナ禍における公演再開への尽力などを評価され「文化功労部門」で表彰された。

仁智は「全然実感ない。賞状をいただく式典も中止になりましたから」。94年には師匠の笑福亭仁鶴(83)、13年には上方落語協会前会長の桂文枝(77)らも受賞。仁智は「そうそうたる先輩諸氏ばっかりで、恐縮というかびっくりした。まだまだそこまで及びません」と語った。

年末年始も自粛ムードは続く。仁智によると、大阪・天満天神繁昌亭の公演は「受け入れ体制は変わらず」も、年末は今まで行われていたカウントダウンは中止。年始の特別興行は客席を半分のままで3日間、配信も行う。仁智は「派手な正月じゃなくておとなしい正月で、おだやかで十分いいんじゃないですか」と話した。

18年に同協会会長に就任。今年6月に再選された。会長就任18日で大阪北部地震が発生するなど、以前から「会長になってからロクなことない」とぼやいていた。「繁昌亭のちょうちんが落ちたのも全然問題なかったけど、コロナは…。オチは、再来年の春にコロナが収束してバンザーイって言ったときに私の任期は終わり」と笑わせた。

71年に仁鶴に入門。来年芸歴50年を迎える。仁智は「この前も事始めでお会いしました。あんまり動いてはりませんから体力はやっぱり落ちてますけど、弟子5人ほど集まって、まあ、おもろいでっせ」と、仁鶴の様子を明かした。

「『弁当あるから食べていきや』って。(笑福亭)仁福の方を向いて、『言うとくけど、1人1つやで』って。やや安心はしました。おもしろいですし」と話していた。【星名希実】