2020年もネット上ではさまざまなものがバズったが、そのひとつが、漫画家でイラストレーターのきくちゆうき氏による4コマ漫画「100日後に死ぬワニ」。主人公のワニの、何げない日常の生活が描かれながら、漫画の最後に「死まであと○日」と、余命がカウントダウンされる形で告知されていくという内容が関心を集めた。一方、さまざまな臆測も呼び、炎上騒ぎが起きるなど、物語終了後の“101日目”にもネット上で話題は続いた。

同作は19年12月19日から毎日、ツイッターとインスタグラムで連載され、100日目に訪れることが確定している主人公の“死”に向かって進むという斬新な設定が読者の興味をひきつけた。最終回が近づくにつれて注目度も高くなり、最終回直前の「99日目」が3月19日にアップされると、公開から1時間後にリツイートが8万、「いいね」は25万超えと反響を呼び、ツイッターには「生きて!」「お願い、死なないで!」など、ワニの生存を望む声が相次いだ。

そして最終回の100日目は、これまでの4コマではなく3日分超の13コマで描かれ、最後の1コマは桜吹雪が舞うシーン。ネット上では芸能人や著名人たちからも「泣けた」といった感動の声が多数あがり、作者のきくち氏も読者に感謝のメッセージを送るとともに、「始めた時から漫画のラストは決めていました」と連載当初からラストが決まっていたことを明らかにした。

ただ、物語が感動のままに幕を下ろした一方、“場外”で騒動が。最終回が公開された直後に映画化が発表されると、「ん?」と首をかしげるネットユーザーが続出。すでに発表されていた書籍化や、関連グッズの発売など、商品化のタイミングがあまりにも絶好“すぎた”ことから、さまざまな臆測がささやかれる事態となった。

くしくも“101日目”がネット上でやり玉にあがってしまったが、「#Twitterトレンド大賞2020」の第4位に選出されるなど、2020年のネットを大いに盛り上げた同作。なお、公式ツイッターでは、「あのとき」と題したスピンオフ的な一コマ漫画なども随時公開されている。