お笑いタレント明石家さんま(65)が、劇場アニメ映画「漁港の肉子ちゃん」(今年初夏公開)で映画プロデューサーとしてデビューすることが1日、分かった。

18年にNETFLIXのドラマ「Jimmy~アホみたいなホンマの話~」でドラマの企画・プロデュースしたが、劇場映画は初めて。

原作は直木賞作家西加奈子氏(43)の累計35万部超の同名小説。漁港の船に住む2人きりの母娘、肉子ちゃんとキクコの軌跡と成長を描く物語に、さんまがほれ込んでオファーを出し実現した。

さんまは「西加奈子さんが、直木賞を受賞された直後、本屋さんに(西氏の著作の)『サラバ!』が置いてあって、それでパッと本をめくったら、エジプトの人間は『かわいいね』『もうかりまっか』『明石家さんま』という日本語を知っているみたいなことが書いてあったので、これは"明石家さんま”が出てくる話やなと思って、買って読んだら、その1行しか出てこなくて(笑い)。その後に西さんの作品を何冊か読ませていただいて、そこで『漁港の肉子ちゃん』に出会いました。大偶然の出会いです。大阪弁の使い方がめちゃくちゃうまいなと。『漁港の肉子ちゃん』はすごく良い感動的な作品なので、映像として残したいと思い、(映像化の)オファーをしたところ西さんがすぐOKしてくださって。最初にお話ししてから5年くらい待っていただいてようやく実現しました。今回のアニメ映画化は、エネルギーが引き寄せた産物です。ご期待ください」と話している。

西氏は「さんまさんは、自分が小さな頃から知ってる、いわばお札の中の人みたいな存在だったので、信じられない思いでした。直木賞をいただいた後に『さんまのまんま』という番組に出演させていただきました。初めてお会いしたさんまさんは人間ならざる存在感で、近距離で“めちゃくちゃ大きな祭”を見ているような気持ちになりました」と振り返っている。「漁港の-」については「私の理想の世界を描きました。自分で書きながら、全ての登場人物を愛さずにいられませんでした」と話している。

監督は19年「海獣の子供」の渡辺歩監督(54)。「さんまさんがアニメーションにチャンスをくださったのが何よりもうれしいです。さんまさんは、打ち合わせさせていただく度に“気付き”をくださいます。『大切なのは作り手が面白いと思うこと』このお言葉を常に胸にいそしんでます。西先生の書かれる小説はどれも映像的要素が満載で好きです。肉子ちゃんのある意味ファンタジー味すら感じる強烈なキャラクターに魅了されました。見てくださった方が、他の誰かに教えたくなるような映画を目指したいです」と話している。

脚本は19年TBS系「凪のお暇」の大島里美氏(43)。キャラクターデザイン・総作画監督は「海獣-」の小西賢一氏。制作を手掛けるのは「海獣-」、20年「映画 えんとつ町のプペル」のSTUDIO4℃。