東京都台東区の鈴本演芸場と浅草演芸ホールは1日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、4月25日から1都4府県に発出された3度目の緊急事態宣言を受けて中止となった5月上席公演を、落語協会の協力のもと、通常の寄席興行の形で再現し、無観客での緊急無料生配信を行うと発表した。

鈴本演芸場と浅草演芸ホールをはじめ東京都内の定席の寄席4軒と落語協会、落語芸術協会は4月28日に、1日から11日まで休業すると発表。緊急事態宣言発出による都の無観客開催要請に対して、寄席側は4月24日に「社会生活の維持に必要なもの」との声明を出し、一度は営業継続を発表したが、都からあらためて「休業要請」があり、応じたと説明した。

その対応に対し、世間やマスコミからの反響が予想以上に大きくなり、鈴本演芸場と浅草演芸ホール、落語協会で緊急協議の結果「寄席から全国の寄席演芸ファンの皆様に感謝の気持ちをお伝えしたい」と話がまとまり、5月上席公演の緊急無料生配信を決めた。

鈴本演芸場はYouTubeに「鈴本演芸場チャンネル」を持っていたが、浅草演芸ホールは今回の配信に当たり、新規で「浅草演芸ホールチャンネル」を開設した。鈴本演芸場チャンネルでは3日午後12時半から、浅草演芸ホールチャンネルでは5日午前10時半から配信をスタートする。

またコロナ禍で経済的な打撃を受けている芸人の支援を目的に、鈴本チケットシステム上で1枚1000円で「芸人応援チケット」を販売し、出演料に割り当てることで支援する。購入客は、寄席再開後にチケットを持参すれば入場料金の割引を行う。