NHK正籬聡放送総局長の定例会見が21日、東京・渋谷の同局で行われた。

東京オリンピックの開会式の作曲担当を辞任した小山田圭吾氏(52)がコーネリアス名義で楽曲を制作するEテレ「デザインあ」(月~水曜午前8時35分、土曜8時25分)の放送を取りやめたことについて「記事等の事実確認をして、ご本人が内容を認めたことなど一連の経緯を踏まえて総合的に判断した」と説明。「東京五輪・パラリンピックでは、多様性を認め合って共生社会を実現していくことがレガシーになる。それを放送上も体現していけないかと、1つの目標に掲げている。そういうことで判断した」と述べた。

今後の放送については「方針を決めきっているわけではないが、今言った趣旨から取りやめている」とした。

小山田氏を巡っては、雑誌のインタビューで学生時代のいじめを告白していたことが問題視されているが、11年と17年にも同様の内容で視聴者から問い合わせを受けていたという。当時の対応について担当者は「事務所関係者から説明を受け、本人が重々反省して後悔していらっしゃるということだった。ご本人が反省しているという、その説明を受け入れたと聞いている」と説明した。

「デザインあ」は2度の問い合わせ後も放送を継続したが、20日から放送を見合わせている。当時と異なる判断をしたことについて、正籬放送総局長は「前例を踏襲するのではなく、その時その時の視聴者の意見や全体をよく踏まえて適切な判断をすることが大切だと思っている」とした。