4月に宝塚歌劇団を退団した前雪組トップ望海風斗(のぞみ・ふうと、37)が1日、大阪・梅田芸術劇場で、退団後初コンサート「SPERO」の初日前日通し稽古を行った。

望海は、退団直後に「エリザベート TAKRAZUKA25周年スペシャル・ガラ・コンサート」に出演したが、自身で開くコンサートは初めて。多面性をテーマにした構成で、元トップらしくマニッシュなスーツ姿から、ドレス姿も披露した。

同劇場は、劇団にとって、多くの生徒が舞台に立つ“準本拠地”。在団中、何度も出演した同劇場で、退団後の初コンサートを迎え「この場所からスタートを切れて、とってもうれしいです」と笑顔を浮かべた。

今ステージの構成・演出は、退団公演のショー「シルクロード~盗賊と宝石~」で振り付けを手掛けた川崎悦子氏。在団時の作品から思い出の楽曲、ジャズやポップスのスタンダードナンバー、海外ミュージカルの楽曲まで、自慢の歌唱力に磨きをかけて歌い上げる。

望海は「いよいよ新たな世界に飛び込むんだという実感がわいてきました。男役であろうと、1人の人間であろうと、歌うことが大好きだということは変わりません」と、プロの歌い手として再出発を控え、たかぶる気持ちをこう表現。

コロナ禍での退団、再スタートに「不安も多い中、新たな1歩を踏み出そうとしていらっしゃる方がいたら、このコンサートがひとつのきっかけになったらうれしいですし、コンサートを楽しみにしてくださっている皆様に、最高のギフトをお届けできるよう、1曲1曲心を込めて歌いたいです」と約束した。

舞台上には、男性ダンサーもおり、新たな環境でのステージに気持ちも新たな様子。「最高にすてきなメンバーと、そしてスペシャルなゲストの方々と、そしてお客様と夢のような時間を私自身も楽しみにしています」とコメントした。

公演は、梅田芸術劇場で2~11日、福岡・北九州ソレイユホールで20~22日、愛知・東海市芸術劇場大ホールで、9月16、17日、KAAT神奈川芸術ホールで同26日~10月5日に上演される予定。

また、9日午後1時公演がライブ配信されることも新たに決まった。