新型コロナウイルスによる合併症で20年10月4日にパリ近郊の病院で亡くなった、日本を代表するファッションデザイナー高田賢三さん(享年81)が立ち上げたブランド「KENZO(ケンゾー)」の新たなアーティスティックディレクターに、日本のデザイナーNIGO(本名長尾智明=50)が就任した。

15日、「KENZO」を傘下に置くフランスの高級ブランドグループ「モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン」(LVMH)が発表した。NIGOは牧瀬里穂(49)と2008年(平20)に再婚したことでも知られる。

LVMHのシドニー・トレダノ会長兼CEOは「このたび、メゾン ケンゾーのアーティスティック・ディレクターにニゴーを迎えることを心よりうれしく思います。非凡な才能をもった日本のデザイナーを迎えることで、私たちは、高田賢三が築き上げたメゾンの歴史に、また新たな1ページを刻むことができるでしょう。ニゴーのもつクリエイティビティとイノベーション、そして、メゾンの歴史に対する想いによって、ケンゾーに宿るあらゆるポテンシャルが存分に発揮されるものと確信しています」とコメントした。

NIGOは「任命いただき、大変光栄に思います。僕は、高田賢三さんがパリで最初のブティックを開いた年に生まれました。そして、僕も高田さんも、東京の同じ服飾学校(文化服装学院)を卒業しています。1993年、ケンゾーがLVMHグループに加わった年に、僕はファッションのキャリアをスタートさせました。オリジナリティーをつくり上げる賢三さんのアプローチは、さまざまな文化への理解によるものでしたが、僕にとっても、それはクリエイティビティの哲学の核心に置いているものです。新しいケンゾーをつくるために、賢三さんのクラフツマンシップのスピリットを継承することは、30年に及ぶ自分のキャリアの中でも最大の挑戦であり、チームと共に成し遂げていきたいことでもあります」とコメントした。

ケンゾーは93年にLVMH傘下に入り、高田さんが99年に高田さんがブランドを離れて以降は、さまざまなデザイナーがディレクターを務めてきた。