人気ロールプレーイングゲーム「ドラゴンクエスト」(ドラクエ)シリーズやザ・ピーナッツ「恋のフーガ」、ヴィレッジ・シンガーズ「亜麻色の髪の乙女」などで知られる作曲家のすぎやまこういち(本名・椙山浩一)さんが9月30日、敗血症性ショックのため死去した。90歳だった。

「ドラクエ」シリーズの生みの親として知られる、ゲームデザイナーの堀井雄二氏(67)が、同ゲーム公式サイトで追悼コメントを出した。

堀井氏は「すぎやま先生の、あまりに突然な訃報を聞き本当に残念でなりません。ドラゴンクエストを作って35年、その世界に、すぎやま先生は音楽という命をずっと吹き込んできてくださいました。先生には本当に素晴らしい楽曲をいっぱい書いていただきました。これからもドラクエは、先生の音楽とともにあります。ユーザーの皆さんの心の中に先生は 生き続けるはずです。すぎやま先生 長い間本当にありがとうございました」と悼んだ。

自身のツイッターでも「すぎやま先生がお亡くなりになりました。先生は35年間、ドラクエの世界に音楽という命を吹き込んできてくださいました。ドラクエは先生の音楽とともにありました。ゲームとともに、ユーザーの皆さんの心の中に、先生は生き続けるでしょう。すぎやま先生、長い間、本当にありがとうございました」とした。

堀井氏は1986年(昭61)に「ドラゴンクエスト」を発表し、すぎやまさんは第1作から作曲を担当している。

◆すぎやまこういち(本名椙山浩一)1931年(昭6)4月11日、東京都生まれ。音楽好きの家庭に生まれ、幼少からクラシックなどに親しむ。東大卒業後、文化放送、フジテレビでディレクターを務め、フジテレビ時代は「ザ・ヒットパレード」に携わり、テーマ曲を作曲。沢田研二らによるバンド「ザ・タイガース」の名付け親で、「君だけに愛を」などグループサウンズのヒット曲や、「亜麻色の髪の乙女」などを作曲。86年、ゲームのテーマ曲「ドラゴンクエスト序曲」を作曲。16年、最高齢のゲーム音楽作曲家としてギネス世界記録に認定された。18年、旭日小綬章。昨年、文化功労者。