女性お笑いコンビ、Aマッソが11月1~3日に、単独ライブ「ずいぶんじゃねぇか、なぁスニッツ!」(東京・草月ホール)を開催する。昨年の女芸人No・1決定戦「THE W」をきっかけにブレークした実力派がこのほど、日刊スポーツのインタビューに応じ、公演への熱い思いを語った。3週にわたって連載する。

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「レロレロレロレロ~」。許可を取り、レコーダーで録音を開始すると2人そろって謎のワードを連呼した。幼なじみコンビにとって、取材時のお決まり行事のようで、いたずら少女のような表情を浮かべた。

16、17年とM-1グランプリ準決勝に進出するなど、早くから小気味よい関西弁のしゃべくり漫才が高く評価されてきた2人。10月から冠ラジオ、MBS「Aマッソのヤングタウン」(木曜午後10時)が始まるなど、メディア露出が激増している。

コンビのブレーン・加納(32)は小説も執筆するなど多才で超多忙だ。公演を約3週間前に控え、「今まで芸人11年やっていて、一番焦っています。これだけ単独(ライブ)だけに時間を割けないことが初めてなので…」。村上(33)は「私の中で単独というものが始まっていなくて。はよ(ネタを)くれないと知らんでっていう。あんまり催促はできないので、こうやって人を通して遠回しに言っています」と笑った。

飛躍の年となった今回、チケットは即完売で、配信チケットの売れ行きも好調。新規ファンが急増する中での公演だ。加納は「今まで(の単独ライブ)は知っている人やったら笑える要素を入れていたんですけど、そういうのを排除して、フラットに初めてみる人にも伝わるようにしたいなと思っています。今回初めて、テーマみたいなものをつけてやろうかなって思っています」と力を込めた。

詳しい内容については、「ネタバレになるんで」と明かさない。「コンセプトとかは全部、来てもらってからですね」といたずらな笑みを浮かべた。

公演タイトルは毎回独特なものが多い。今回の「ずいぶんじゃねぇか、なぁスニッツ!」に込めた意味も秘密だ。加納は「そこも含めて、見たら分かるようにしています」とけむに巻く。村上は「ネタバレいやなんだってー!」と相方を思いやって笑わせた。

今回が8回目の単独ライブだが、5回目までは、手作り感あふれる公演だったという。村上は「場も自分らでおさえて。小道具も自分らで作って」と回想した。加納は「ようやくちゃんと、会社の人にも協力してもらって、大きいところでやれるようになった。逆にいうと、プレッシャーがでかい。それまではめちゃくちゃ好きなことやっていたので、ちゃんとしなきゃって。その当時は、『単独楽しみ』って感じやったんですけど、今は、『やってくる!』みたいな。手放しに楽しい感じではないです(笑い)」と人気者ならではの悩みを吐露した。対する村上は「全然ずっと楽しい。最高!」と自然体だ。

芸人にとって、自身のファンが集まる単独ライブは特別だ。加納は「やっぱり、芸人の魅力が全部出るので、良いなと思います」。自身もいろいろな芸人の単独ライブに足を運ぶといい「単独ライブの規模を大きくしていきたいっていうのは1個目標ではあります。やりたいことをやれる場ではあるけど、言い訳できない場ではあるので、一番純度高くやりたいです」とこだわりを熱弁した。村上にもこだわりを聞くと「…はい、へへへ…」とヘラヘラし、「『へへへ』って書いておいて下さい」とボケて笑わせた。

◆Aマッソ 10年結成。加納(かのう)は1989年(平元)2月21日、大阪府生まれ。エッセー「イルカも泳ぐわい。」発売。「文藝」「文學界」などで短編小説を次々と発表。155センチ、46キロ。血液型B。村上(むらかみ)は1988年(昭63)6月16日、大阪府生まれ。155センチ。46キロ。血液型AB。16、17年「M-1グランプリ」準決勝進出。20年女芸人No・1決定戦「THE W」決勝進出。MBSラジオ「Aマッソのヤングタウン」、テレビ朝日系「トゲアリトゲナシトゲトゲ」(加納のみ)出演中。