V6がデビュー26周年となる1日、千葉・幕張メッセでのラストライブをもって解散します。岡田准一(40)三宅健(42)森田剛(42)井ノ原快彦(45)長野博(49)リーダー坂本昌行(50)の6人の活動の軌跡を、日々の取材および紙面連載「サタデージャニーズ」などを通じて触れてきた日刊スポーツ記者が振り返ります。

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公開中の映画「燃えよ剣」の原田眞人監督は、主演の岡田を「超一流の武芸者が俳優のふりをしているような人」と評した。岡田はこの映画で殺陣も担当。新選組メンバーそれぞれに個性を立てている。カリ、ジークンドー…さまざまな格闘技でインストラクター資格を持ち、アクションの才能についてはいまさら言うまでもない。

探求心の出発点はデビューのいきさつにありそうだ。14歳の時に「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」の「ジャニーズ予備校」コーナーに母親が応募。その直後にいきなりV6のメンバーに抜てきされた。つまり「Jr.経験」はほぼない。

6年前のインタビューでは「難しいことをさらっとやっちゃう森田剛は天才だと思った。普通の僕はどうしたら、何をやったらいいのだろう」というデビュー間もないころの不安を明かした。この「自分は普通」という意識が、何事も極めないと気が済まない完璧主義者を生んだようだ。

14年のNHK大河「軍師官兵衛」に主演した時は「映画と同じようにリハーサルから台本を持たない」と心に決めた。リハから収録までは1話1週単位で過密進行する。もちろんV6の仕事もある。だから、収録期間の移動用カバンはいつも10冊(10話分)の台本でパンパンに膨らんでいた。

単なる努力家にはとどまらない。三宅健は「すれ違いざまにいきなりワザを掛けたりする」と笑う。場を和ませるおちゃめな面もあってこその完璧人間である。【相原斎】

◆岡田准一(おかだ・じゅんいち)1980年(昭55)11月18日、大阪府生まれ。95年V6としてCDデビュー。三宅、森田とともにComing Century(通称カミセン)の一員。同年フジテレビ系ドラマ「Vの炎」で俳優デビュー。TBS系「木更津キャッツアイ」、フジテレビ系「SP」シリーズなど多数。14年初出演のNHK大河「軍師官兵衛」で主演。映画は13年「永遠の0」、19年「ザ・ファブル」など。妻で女優の宮崎あおいとの間に2子。格闘技の他に登山や歴史も愛好。血液型B。