東京国際映画祭が30日、開幕し、東京国際フォーラムでオープニングレッドカーペットとセレモニーが行われた。

コンペティション部門の審査委員長を務めるフランスの女優イザベル・ユペール(68)がオープニングセレモニーの壇上で、名言を口にした。

「私たちは映画が必要です。そして映画は、私たちを必要としています」

ユペールはこの日、胸元に花柄があしらわれた全身黒の衣装に、複数の宝石で彩られたイヤリングを着けて登壇し「コンバンワ」と日本語であいさつした。その上で「コロナ禍において、映画作りは非常に大きなチャレンジです。このような形で、映画祭が開催されたことは勝利。ここに他の選考委員と立っていることを、とても光栄に思う」と笑みを浮かべた。そして「私たちは、映画を一緒に見たいし、見るべき。それがコロナ禍の中で、私がやりたかったこと」と、映画館で時と場所を共有して映画を鑑賞することの重要性を訴えた。

ユペールはカンヌ映画祭で78、01年、ベネチア映画祭では88年、95年に女優賞を受賞と、世界3大映画祭を制した世界的な名優だ。そのユペールが、映画への愛を込めた名言を口にする、最高のスタートで東京国際映画祭は幕を開けた。