宝塚歌劇団の宙組人気スター芹香斗亜(せりか・とあ)が13日、大阪市北区のシアター・ドラマシティで、2年9カ月ぶり主演作「ブロードウェイ・ミュージカル『プロミセス、プロミセス』」の初日を迎えた。

芹香にとって、19年2月から大阪、東京で上演された「群盗」以来、通算3回目の東上主演作は、ニール・サイモン脚本の名作コメディー。ニューヨークの総合保険会社を舞台に、経理担当チャックにふんした。

社員食堂に勤めるフランにひかれつつも相手にされず、会社の重役から密会の場所として住まいのアパートを提供するよう求められ、断れないお人よしの青年チャック。宝塚のヒーロー像とはかけ離れた「地味な青年サラリーマン」を繊細な芝居心で表現。男役15年の包容力、硬軟演じ分ける技量で、大都会に生きる青年の悲哀と恋、おとこ気を吹き込み、新たな「宝塚の二枚目像」を見せた。

ヒロインのフランは、芝居に定評のある娘役、天彩峰里が臨み、不倫に悩みながらも乗り越えていく女性を熱演。そのフランの不倫相手を、今作を最後に雪組へ移る実力派スター和希そらが好演した。

舞台は11、12日に同劇場で舞台稽古を重ね、最終仕上げ。開幕前日の12日夜に通し稽古を終えた際には、芹香が「初日から千秋楽まで、どうぞよろしくお願い申し上げます」と完走を誓い、初日に備えていた。

公演は、シアター・ドラマシティで18日まで。東京建物Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)は11月30日~12月7日。