女優加賀まりこ(77)が14日、東京・シネスイッチ銀座で、主演映画「梅切らぬバカ」(和島香太郎監督)の公開記念舞台あいさつに出席した。

母親と自閉症を抱えた息子の日常を描いた作品。加賀は「本日は足を運んでくださり、ありがとうございます」と声を詰まらせた。当初3館ほどで上映する予定だったが75館に増えたことを明かし「こんなに上映してくださるところが増えてうれしいです」と話した。

親子を演じた塚地武雅(49)は「予告再生動画が350万回再生いった。イケメン俳優かアイドルじゃないと回らない回数らしい。イケメンの仲間入りできたかな」と笑い「作品の力です」と感謝した。

スケジュールは2週間、せまい空間での撮影という厳しさもあったが、加賀は、塚地との共演を「本当に打ち合わせなくうまくいきましたね。リハーサルなく、テストなくてうまくいった。自分たちでも驚きました」と振り返った。

生活感を出すため、用意されたかっぽう着などの衣装を自宅に持ち帰ったり、普段使っているステッキ、メガネなどを持ち込んだという。塚地に「衣装を着ていると、近所の人見に来ているのかなというくらいだった」と言われ、加賀は「プロ、プロ」と応じて笑わせた。

加賀は「見終わって、こういう息子を見かけることがあると思います。決してこの子たちは攻撃的なことはない。手を差し伸べなくてもいいので、ほほえんであげてください」と呼び掛けた。