「十二月大歌舞伎」(12月1~26日、東京・歌舞伎座)の第2部「ぢいさんばあさん」で尾上菊之助(44)が演じる妻るんは、父尾上菊五郎(79)が何度もつとめている。

るんに初挑戦する菊之助は、父の舞台を参考にしたいとし、以前同作で共演した時のことを「父のるんは温かかったです」と振り返った。

菊五郎は今月3日、文化勲章親授式に出席した。菊之助は「(受章を)とても喜んでいました。普段は照れ屋で、表に出さないのですが、非常に喜んでいました。子供たちと一緒におめでてとうございますと言ったこともあって『ありがとう』と。まだまだ元気に舞台に立ってもらえると思います。私も父の背中を見ながら成長したい」と話した。

長男丑之助(7)の成長についても語った。9月には、祖父も父もいない座組で「盛綱陣屋」に出演、切腹場面もある難しい役、小四郎を演じた。

菊之助は「小四郎は子役の中でも1、2を争うくらい大変。役になりきるチャンスは大人でも子供でも関係ない。役の気持ちを感じてほしいと思って厳しく接しました。稽古が嫌という日もありましたが、おだてつつ」と笑った。

今は「もっと芝居が好きになったようです。今月はいつ見に行かせてくれる? と聞かれるようになりました」と話した。稽古を離れると、一緒に山に登ったり、自然に触れるなどしているとし「私よりも駆け回ってます」と、丑之助の元気の良さを語った。