堤幸彦監督（66）の映画50作公開記念上映会が3日、東京・新宿K’sシネマで行われ、同監督の50作目として製作された映画「truth～姦しき弔いの果て～」が、22年1月7日公開に先駆けてサプライズで日本初上映された。舞台あいさつには“忖度（そんたく）出演”した佐藤二朗（52）が駆けつけた。

「truth～姦しき弔いの果て～」は、新型コロナウイルスの感染が拡大して映画の撮影、舞台公演が相次いで延期、中止となっていく中、佐藤の所属事務所の後輩・広山詞葉（36）が俳優仲間に声をかけ、文化庁の「文化芸術活動の継続支援事業」申請の締め切り前日から企画がスタートし、賛同した堤監督らが結集し、わずか2カ月で製作。広山が声をかけ、ともにプロデューサーにも名を連ねる河野知美（40）と声優の福宮あやのの3人が主演し、3人による会話劇で昨今話題の「精子バンク」をテーマに女性の本音をあけすけに描く。

佐藤は、TBS系で00年9月29日放送の堤監督のドラマ「ブラック・ジャック2」で人間ドック担当医で映像デビューしている。そのことを踏まえ「はっきり言えば、僕がここにいるのも、この業界に入ったのが堤さん（のおかげ）」と、同監督への感謝の思いも“忖度（そんたく）出演”という言葉にこもっていると説明した。

その上で「コロナ禍で俳優も仕事を失っていき（広山の企画に）共感した。女性お三方の試みに賛同し…気持ち良い忖度（そんたく）です」とも語った。

企画には、堤監督に加え、同監督が日本アカデミー賞を受賞した「明日の記憶」「2LDK」などでタッグを組んだ三浦有為子氏が脚本を、「天空の蜂」など同監督作品を多数撮影してきた唐沢悟氏が撮影を担当と、日本屈指の製作陣が集まった。佐藤は、映画が海外の映画祭で6冠を獲得していることを踏まえ「こういうことが多く起こると良い。自主映画に堤幸彦を巻き込み、海外で賞を取る…そうなればいい」と強調した。