新型コロナウイルス禍のため2年連続で中止となっていた国内最大級の野外音楽イベント「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル(ROCK IN JAPAN FESTIVAL)」が、今後の会場を茨城・ひたちなか市の国営ひたち海浜公園から、千葉市蘇我スポーツ公園に変更して開催することを5日、公式サイトで発表した。

公式サイトでは、総合プロデューサー渋谷陽一氏がコメントを発表。「2022年から、ロック・イン・ジャパンは千葉市蘇我スポーツ公園で開催します」と報告。県医師会の要請により直前で中止となった昨年について「昨年の夏、収容人数を例年の半分以下にし、出来る限りの感染対策も講じたロック・イン・ジャパンを中止にせざるを得なかったことは、とても残念であり、私たちにとって大きなダメージでした。ここまでやっても開催は受け入れてもらえないのだ、という大きな困難を感じました」と振り返った。

その上で、今後の開催について検討を重ねた結果として、「国営ひたち海浜公園での開催は、公園の構造上、7万人収容のひとつの巨大ステージと、収容人数がその数分の一の複数のステージという形になります。7万人収容のステージから小さなステージへと人が流れていく形になります。必然的に入場規制や密が起き、万全の感染対策を行う事は困難です。何万人の参加者が密にならずにライブも楽しめ、移動もほとんどない環境を作ることは、国営ひたち海浜公園では不可能と判断せざるを得ませんでした」と判断したことを明かした。

新会場を選んだ経緯については、渋谷氏は「私たちが千葉市蘇我スポーツ公園を新しいロック・イン・ジャパンの開催地として選んだのは、その不可能を可能とする場所だからです。5万から6万人収容可能な巨大なライブエリアがあり、そこにステージをふたつ立てることができます。そしてもうひとつ、昨年新たにオープンした2万から3万人収容可能なライブエリアがあり、そこにもふたつステージを立てることができます。そして、そのふたつのライブエリアはほんの数分で移動ができます。まさに野外フェスにとって夢のような場所なのです。参加者は移動をせずにふたつのステージを観ることが可能で、ステージエリアの移動も広い動線を数百メートル歩くだけです。これなら密を回避して野外フェスを開催できる、そう判断してロック・イン・ジャパンの開催地変更を決しました。野外ロック・フェスの会場として、千葉市蘇我スポーツ公園は唯一無二の存在だと思います。この状況下でロック・イン・ジャパンを存続させるためには、この選択肢しかなかったのです」と説明した。

同フェスは00年からスタート。サザンオールスターズ、矢沢永吉、井上陽水、奥田民生、東京スカパラダイスオーケストラ、ゆず、MAN WITH A MISSION、ゲスの極み乙女。、サンボマスター、ももいろクローバーZ、YOASOBIなど、若手からベテランまで日本を代表するアーティストが多数出演してきた。