3世代ヒロインで100年の物語を-。壮大なプランで昨年スタートしたNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」は、2代目ヒロイン深津絵里(49)ふんする「るい」の大阪編が進行している。

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初代の上白石萌音が演じた安子の娘として、雉真家に生まれたるい。岡山から大阪へ飛び出し、このあと、3代目ヒロイン川栄李奈へバトンを渡す。その2番手走者の深津は「とんでもないものを引き受けてしまった」と言いつつ、気を引き締めて大役に臨んだ。

深津のコメントが22日、制作のNHK大阪拠点放送局から寄せられた。

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-出演を決めた理由は

深津 「3人のヒロインで100年の物語をつくりたい」というチーフ・プロデューサー堀之内さんの強い気持ちと、藤本有紀さんの脚本に、すごいものを作ろうとする迫力を感じたので、「私に何かできることがあれば」と思い、お引き受けしました。

でも、なんでもっと冷静に考えなかったんだろう(笑い)。改めて藤本さんが描くキャラクターやストーリーに「とんでもないものを引き受けてしまった」と、いまさらドキドキする毎日です。

でも、岡山編の皆さんが、あの波乱に満ちた大変な物語を、心を込めて演じられている姿を見ていたら、ここで私が「どうしよう」なんて言っている場合じゃない。きちんと、ひなた(川栄李奈)にバトンを届けなければいけないと、全力で撮影に臨んでいます。

-役柄を演じる上で意識したことは

深津 岡山編にもう「るい」の全てがありました。私は余計なことをせずに、ただ存在していられたらと思っています。るいは、見ている方々が同じ気持ちで寄り添ったり、自分と重ね合わせるのがすごく難しいキャラクターなので、そこは繊細に考えなければいけないですよね。それに、喜怒哀楽を上手に表せないので、彼女の感情の揺れを、どれくらい表現するべきなのかも気をつけています。

るいの生い立ちや育ってきた環境を考えると、年齢よりも大人びた面がある一方、どこか抜け落ちた子どもっぽい面もあるのかなと思いました。そんなるいの、でこぼこした感じがうまく出せたらいいなと。

-印象に残った場面は

深津 竹村クリーニング店の平助さん(村田雄浩)と和子さん(濱田マリ)ご夫婦と会って初めてお茶の間でお煎餅をいただくシーン。すごく緊張しました。

というのも、それがるい編の初日に撮ったシーンだったんです。岡山にいた十何年間で、きっとるいの心はとっても固く閉ざされていて。本当の気持ちをなかなか表さなかった女の子が、全く見ず知らずのお宅にあがって、あたたかさに触れ、心を解放する。私の感情がうまくコントロールできなくて、何テイクもやらせていただいたんです。

それを、村田さんとマリさんのおふたりが見守ってくださいました。言葉ではなく、私たちはここにいるから大丈夫だよっていう空気をつくってくださって。おふたりにご迷惑をかけたと思うんですけれど、その「つまずき」みたいなものがあったからこそ、一気におふたりとの関係をつくれたような、みんなで手を取り合えた気がして、とっても大事なシーンだったなと思います。

-視聴者へのメッセージを

深津 安子編からずっとこの作品を見守ってくださっている視聴者の方々に、ひなたの最後までを見守っていただけることが私の願いです。今放送中の、るいの時代のエピソードが、ひなたの時代に紡がれていきます。次はひなたの気持ちに寄り添って、毎朝この物語を楽しんで見ていただけたらうれしいです。

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今作は昭和、平成、令和の時代に、ラジオ英語講座とともに歩んだ祖母、母、娘と3世代ヒロインを描く。舞台は京都、岡山、大阪に及び、1925年の日本でラジオ放送が始まった日、岡山で生まれた少女、安子のドラマから描かれる。大正末期からの岡山編は上白石萌音、昭和30年代からの大阪編で深津絵里、昭和40年代からの京都編は川栄李奈が演じる。