片岡仁左衛門(77)が25日、都内で、「二月大歌舞伎」(2月1~25日、東京・歌舞伎座)第2部「義経千本桜 渡海屋・大物浦」の取材会を行った。

一世一代(=役を演じ納めること)と銘打ち、渡海屋銀平実は新中納言知盛を演じる。平知盛が平家再興を目指す思い、安徳帝への忠義、源義経へ見せる執念、いかりを担いで入水する壮絶な最期などが見どころ。

04年に初めて演じ、今回で6回目。仁左衛門は「大阪と東京、両方のやり方、型を取り入れて、私の型を作りました。愛着を感じています」と役への思いを語った。

演じるのが今回で最後となることについては「まだまだやりたいんですが、体力が消耗するんです。20キロ近い衣装を身に着けてのお芝居ですから」とした。さらに「一世一代とうたっておかないと、役者ってやりたくて仕方ない。またやりかねないので、自分にブレーキかけるためにうたいました。今回で終わりかと思ったら、次でええかと思ってたお客様にも来ていただける。それを狙ってます」と笑った。

台本を何度も読み、せりふに手を入れて練り上げてきた。仁左衛門は「お客様に分かっていただかないと何の値打ちもない。せりふでストレートに理解していただけるようにもっていきたい」とした。

また、「三月大歌舞伎」(3月3~28日、同所)第2部「天衣紛上野初花 河内山」で演じる河内山宗俊の役作りについても語った。