歌手田原俊彦(60)が28日に還暦記念写真集「DOCUMENTARY」(講談社、税込み6600円)を発売した。その前日27日の発表会見を取材に、版元の講談社に行ってきた。

昨年8月に60歳の誕生日を迎えた“バブル世代”の記者にとって“田原の俊ちゃん”は同世代最大のアイドルだ。しかも名前に“俊”が付くので「還暦の俊ちゃん」を「還暦の俊ちゃん」記者が取材するという記念すべき日になった(笑い)。

80年のデビュー曲「哀愁でいと」からヒットを飛ばし続ける一方で、フジテレビの「ラジオびんびん物語」「教師びんびん物語」などの“びんびんシリーズ”で主役の徳川龍之介を演じて大ヒット。世の中に8トラックのカラオケが普及し始めた大学時代から、俊ちゃんは最大のスターだった。

芸能記者になってからも、熱愛、結婚、そして「ビッグ発言」と俊ちゃんは大きな取材対象だった。93年当時、俊ちゃんが交際していた女優の向井田彩子が、契約していたタイヤメーカーとの契約が切れたという情報をつかんだ。担当マネジャーが「もう仕事はありません」と言うのを確認して「田原俊彦 向井田彩子 結婚へ」と書いた翌々日に婚姻届を出したことを発表した時は、しびれた。

今回の写真集は、俊ちゃんが数々のスクープ写真を撮られた講談社の雑誌「FRIDAY」編集部からのオファー。取材現場でのカメラマンとのトラブルも遠い昔。「いつもやられっぱなしだけど、たまにはタッグを組んでもいいじゃないかなと思った」と言う言葉に歳月を感じた。会見場となった講談社の講堂に顔を出した、おじさんになった昔なじみの元FRIDAY記者たちも感慨深げだった。

写真集の目玉は、赤いふんどし姿のヌード。サッカー・ポルトガル代表、クリスティアノ・ロナウドばりの腹斜筋を披露して「女性だけでなく、同世代の昭和の連中が見て『俊ちゃんやるな』と励みに思ってくれれば」という言葉は記者に向かっているように感じた(笑い)。

そして「ふんどしを巻く時は恥ずかしかったですね。スタイリストさんにやってもらったんだけど、女性のスタッフにイチモツを預けるって。前バリこそなかったけど、ちゃんと“田原俊彦自身”はおとなしくしていました。はははははは」という大笑いは、バックダンサーにジャPAニーズを従えて歌っていた81年のヒット曲「ブギウギ I LOVE YOU」ばりで、思わず「バカだね~」と歌詞通りにツッコンでしまった。

「ストレッチを十分にしないと危ない」と言いながらも、頭上高く蹴り上げた右足の高さは40年前と変わらない。「古希の俊ちゃん」「喜寿の俊ちゃん」「米寿の俊ちゃん」「白寿の俊ちゃん」に期待して、頑張ろうと思わせてくれる会見だった。