三浦春馬さんの最後の主演映画「天外者(てんがらもん)」(田中光敏監督)配給のギグリーボックスは2日、三浦さんの誕生日の4月5日に全国308館の劇場で「春の特別上映」を行うと発表した。本編終了後に、新たに5分に及ぶ「完全未公開メイキング映像」を付けて上映する。

三浦さんの故郷・茨城県土浦市のゆかりの映画館「土浦セントラルシネマズ」は上映を継続してきたが、同劇場に加えて4月1日から上映し、同5日に上映中の映画館は東京・TOHOシネマズ日本橋など188館。同2日~同8日まで上映が2館、同4日~同10日まで上映が1館、同5日のみ限定上映が98館、同5日~14日までが1館、同5日の上映は決定しているものの日程調整中の映画館は17館ある。

「天外者」は、幕末から明治初期にかけて活躍した大阪の実業家・五代友厚を主人公に「実もいらぬ、名もいらぬ、ただ未来へ…」と語ったという五代の志を次代につなぐべく、市民有志によって立ち上げられた「五代友厚プロジェクト」によって13年に企画がスタート。17年に田中監督と脚本家の小松江里子氏がタッグを組み、複雑な時代背景と膨大な関連人物からオリジナルの物語を創作した。

その上で、五代のイメージにかなう「透明感があり強い信念を持ち、美しい」という理由から、三浦さんに主演での出演オファーを出した。共演者にも、坂本龍馬役に三浦翔平(33)、五代の妻豊子役に蓮佛美沙子(31)と、三浦さんと親交の深い俳優陣が、導かれるように集まった。

三浦さんは主演にあたり、五代に関するリサーチを徹底した上で、翔平と台本読みまでして19年10月の撮影に臨んだ。撮影中も演出について逆提案するほど意欲的で、同11月の撮了時には田中監督に「参加させていただき、ありがとうございました」と感謝したという。

公開1周年を記念し、公開日の21年12月11日に全国304館映画館で行われた特別上映は1万7623人を動員し、興行収入(興収)2503万4640円を記録。累計の興収は9億円を突破した。台湾でも現地在住のファンが企画を考え、台北市内のCentury Asia Cinema南港店で日本と同時に特別上映が行われた。

三浦さんと「天外者」は、21年末に発表された第34回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞で新設した、一般のファンの投票で決定する「ファンが選ぶ最高演技賞」(男女合わせて50人)「ファンが選ぶ最高作品賞」(50候補)を受賞し、2冠に輝いた。